イギリスのEU離脱についてはひどいミスだと、皆が口を揃えている。しかし、そのなかで確実なことが2つだけある。1. イギリス国民は6月23日にEU離脱を国民投票で決めたこと、2. この一連の出来事のせいで、イギリスの政界はジェームズ・ボンドのクライマックスのようになったことだ。つまり、すべてに火が点いている。それを受け入れること、そして、それを楽しむこと。我々にはそれしかない。イギリスのリーダーたちが右往左往して混乱を招いている様子を見ていると、今我々が就いている仕事も悪くないかなあと思えてくる。それでは、イギリスのEU離脱のせいで、まるで、痛々しいほど粋にミスだらけのイギリス政界を風刺するアーマンド・イヌアッチ制作のコメディ・ドラマ「ザ・シック・オブ・イット」さながらだったイギリス政界の風景8つをご紹介しよう。
1. 国が分裂している真っ最中に労働党のトム・ワトソン副党首がグラストンベリーに行ったこと
A Labour coup is underway and judging by Tom Watson's Snapchat he was dancing at Glastonbury two hours ago. pic.twitter.com/yFYLWSnqPN
— Jim Waterson (@jimwaterson) June 26, 2016
労働者層のクーデターが発生中に、トム・ワトソンのスナップチャットから判断すると、EU離脱決定の2時間前に彼はグラストンベリーで踊っていた。
2. そして、その後国会へ電車で帰っていったこと
Tom Watson update: He's waiting for a train back to London. next one's at 11:25am (pic via @Laura_K_Hughes) pic.twitter.com/S6ijXeMXqG
— Matthew Champion (@matthewchampion) June 26, 2016
トム・ワトソンの最新情報:彼はロンドン行きの電車を待っている。次の電車は11時25分だ。
3. ボリス・ジョンソン前ロンドン市長が自分の招いた混乱を片付けるのを拒否したこと
彼は長年EUへの愛情を示しておきながら、EU離脱を望んでいるふりをした。そうすれば、人民から英雄扱いされて、デイヴィッド・キャメロン首相の後釜を狙えると思ったのだ。ところが、蓋を開けてみると、離脱派がうっかり勝利してしまい、キャメロン首相は辞意を表明した。すると、ボリス・ジョンソンはマルコム・タッカーの右フックより激しく混乱した国を率いる気力が急速に失せたようだ。
4. イアン・ダンカン・スミス前雇用・年金相が毎約467億円を国営保険サービスに供給すると約束していないと主張したこと
Iain Duncan Smith backtracks on leave side's £350m NHS claim https://t.co/laMqMyIZhP
"Who put that bus there" pic.twitter.com/T9SSkZZpCD
— James Hobbs (@HobbsJD70) June 26, 2016
イアン・ダンカン・スミスが離脱派の週3億5000万ポンドを国営保険サービスに充てるという約束を撤回した。「あのバスは誰の仕業だ」
私たちがEUに支払っているお金を、代わりに私たちの医者や看護師に充てるというのがこのアイデアだ。だが、離脱派が勝利して以来、イアン・ダンカン・スミスはこれがイカサマだと認めている。車体の側面に巨大な文字でスローガンが書かれたバスの横に立って写真に収まってはいるが、約束したことはないと主張している。
5. 英国独立党のナイジェル・ファラージ党首とボブ・ゲルドフがテムズ川で船の闘いを繰り広げたこと
本当のことを言えば、これを「ザ・シック・オブ・イット」と言うには少し無理があるね。
6. 離脱派の保守党議員であるダニエル・ハンナンが、EU離脱は結局のところ移民を減らすことはないだろうと認めたこと
「英国を再び偉大にしよう」と投票しましたか? それとも、私たちの仕事をどうにかして全部奪い取り、同時に私たちの受けている恩恵を要求する迷惑な移民を追い出すために? 残念でした。離脱派で保守党議員のダニエル・ハンナンはEU離脱は結局のところ労働の自由を規制しないだろうと認めました。本当に残念! まあいい。私たちの経済はすぐに悪化し、誰もここに来たいとは思わなくなりますよ。
7. マイケル・ゴーヴ司法相がまさかの党首選に立候補を表明したこと
「この党の党首候補にならないために、ほとんどの手は尽くした」、彼はそう言って、人間のふりをしてみせたようだ。マイケル・ゴーヴ司法相はてっきりボリス・ジョンソンを支持するかと思いきや、突然、党首選に立候補することを発表した。かつて「カリスマが何であれ、私はそれを持っていない」と語ったマイケル・ゴーヴだが、すごい嘘のバーゲンセールだね、マイケル。でも、まさに売り切れだよ! 個性ゼロの男に祝福を。
8. 離脱派が催眠術師を雇っていたと判明したこと
そう、催眠術師として知られるポール・マッケンナが、英独立党によるEU離脱プロモーション・ビデオ制作においてアドバイスを提供している。なにも催眠術師として離脱派を訓練したのではない。しかし、彼は「人々を感化するためのソーシャル・メディア広告のプロデュース」の面で力を貸している。それでも十分に気味が悪い? そう。その通り。
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