そう、これが“All For One”である。これこそ20年以上にわたって我々が聴くのを待っていたものであり、2011年にイアンとジョンとマニとレニがソーホー・ホテルで再結成(セカンド・カミング)を発表して以降というもの、ファンが労を惜しまずに申し立ててきたものである。
しかし、なんと壮大なアンセムで戻ってきたことだろう。3分37秒に及ぶ“All For One”はクラシックなザ・ストーン・ローゼズを捕らえながらも、それを正しく21世紀のものにしている。ジョン・スクワイアによる鋭いヒリヒリするようなギターのリックと魅力的な長尺のソロの上で、イアン・ブラウンは「All For One. One For All. If We All Join Hands We’ll Make A Wall(みんなは一人のために。一人はみんなのために。僕らが手を取り合えば、壁を作ることができるだろう)」という歌詞を口ずさんでみせる。
『ザ・セカンド・カミング』の頃の度を超した大言壮語のような部分も散見するが、“All For One”はザ・ストーン・ローゼズの基本に忠実な楽曲である。初期の名シングル“She Bangs The Drums”や“Waterfall”のように短く、華麗に仕上げられている。ライヴのために書かれたアンセムである“All For One”は、来月マンチェスターのエティハド・スタジアムでライヴをスタートさせた際に、ビールを飲みまくる大騒ぎを起こすことになるのだろう。
ザ・ストーン・ローゼズの新曲への興奮は、3月に『NME』がポール・エプワースのチャーチ・スタジオの前でイアン・ブラウンを捕まえ、独占談話をとり、「壮大な」サウンドのスタジオ・セッションをやっていると認めたところから始まることとなった。
そして、とあるファンがマニとばったり出会い、今週新曲を公開すると言われると、ニュー・シングルへの期待は異常な盛り上がりを見せることとなった。UK各地でレモンのポスターが登場し始め、ついに20年の待ちぼうけは終わりを迎えることとなったのである。
そして、今回やっと到着した。まさに我々全員が聴きたかった形で戻ってきたのであり、ノエル・ギャラガーとスーパーマーケットでチョコレート風味のシャワー・ジェルを手に取った時にばったり出会ったイアン・ブラウンが約束してみせたように、この曲は「ファースト・アルバムをもう一度作ってるような感じ」の楽曲とほぼ言っていい。より多くのものが聴けることを願おう。
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