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2006年3月21日は、多くの人にとって平均的なつまらない火曜日だった。当時はまだジョージ・W・ブッシュやトニー・ブレアがなんとか政権のトップに就いていた。UKシングルチャートでは、オルソンがチコの“It’s Chico Time”を1位の座から引きずりおろした週だ。そして、リヴァプールFCがバーミンガム・シティFCに7対0で完勝してFAカップの準決勝に進出した日でもある。このように、イギリスでは何の変哲もない日常が過ぎていった。

しかし、大西洋の向こう側のアメリカでは、この平凡そうに見える日が実際には革命の始まりを告げる日となっていた。ソーシャル・メディア革命だ。この日は、ツイッターの共同創業者、ジャック・ドーシーが史上初のツイートを投稿した日で、グローバル・コミュニケーションに新たな時代の到来を告げる重大な呼びかけとなったのは間違いないだろう。いや、そうでもないか。

自分のツイッターをセットアップした

ご覧の通り、“twttr”でのジャック・ドーシーの第一声はとても平凡だった。しかし、このツイートは私たちにこんな疑問を抱かせるだろう。果たして、我々の膨大な数のタイムラインを辿って行けば、これよりももっと面白いツイートでツイッターを始めていたロックスターやコメディアン、有名人たちがいたのだろうか? 最初のツイートを探せる「ディスカバー」というサイトのお陰で、そんなツイートを探すことができた。

それでは、政治家やインディ・バンド、そしてちょっと混乱したイングランド代表主将の有名人たちの初ツイートをご紹介する

カニエ・ウェスト(@kanyewest)

今夜、ニュー・アルバムの中から新曲のMVが世界各地の66ヶ所で放映される。場所はhttp://KANYEWEST.COM でチェック

140字の各文字が国際的イベントの一部となる、2015/16年で最も実りあるツイートをしている1人であるカニエ・ウェストによる2013年に投稿された2回目の初ツイートだ(彼は2012年10月に2年分のツイートを削除している。しかし、我々が見て楽しむために彼の初期のツイートはもちろんスクリーンショット済みだ)。彼の傑作アルバム『イーザス』のセルフ・プロモーションをしている。

初ツイートの評価:6/10―大文字と自身の妄想を無根拠に使用しているが、悲しいことに、この数か月のツイートから期待してしまうような熱狂の痕跡はほとんど見えない。

リアム・ギャラガー(@liamgallagher)

日本で、昨晩飲みに出かけた。聖パトリックの祝日を祝うために。今夜はライヴだ。

自称“国宝”であるリアム・ギャラガーのツイッター・アカウントからは、2009年3月のアカウント登録以来、定期的にエンターテイメントが相次いで提供される。

初ツイートの評価:8/10―リズミカルな自意識の流れがあり、“LG”による世界への初メッセージは日記のようなクオリティだ。そして、彼は開始以来それをずっと続けている。一貫性がカギとなっている。

バラク・オバマ(@POTUS)

こんにちは、ツイッター! 本物のバラクだよ! 6年経って、やっと自分のアカウントを貰えたよ。

POTUS(President Of The United States:米国大統領)は別に彼個人のアカウントを持っているが(しかし、管理は「アクションを組織する」スタッフが行っているという)、こちらの初ツイートも大統領の公式アカウントからの初ツイートと同じくらい面白味がなかった。きっと、そのうちヒラリー・クリントンかドナルド・トランプに取って代わられることになる(トランプはやめてほしいが)。

初ツイートの評価:7/10―「本物のバラクだ!」これはなかなか良いインターネット・スラングですね、大統領。

ケイティ・ペリー(@katyperry)

ちょうどベルリンに到着したところよ……ベッドサイドにヴィックスの吸入器を置いたら気分が良くなったわ、ありがとう。そして追伸、私ツイッターしてる! えー、こんなにフォロワーが!

このポップスターは、2009年2月にツイッターを始めてから現在までに8,500万人のフォロワーを抱えている。

初ツイートの評価:6/10―リアム・ギャラガーのように、ケイティ・ペリーは当初ツイッターをオンラインの日記か何かだと捉えていたようだ。その後、米国大統領のように、彼女はインターネット上で発言を開始して、何千万人というフォロワーにオンライン上で慕われている。

ファーザー・ジョン・ミスティ(@fatherjohnmisty)

確定申告の季節がそこまでやって来た。優先席を取ろう。僕がセント・クロイ島で過ごしたクリスマスの写真はブログに載せてる。新しいメニューなんかもね。

ファーザー・ジョン・ミスティのツイッターはフォローすると面白い。パーティについての風変わりでユーモラスな思想が投稿されていて(「パーティで大騒ぎしすぎて、立ち止まってツイートせざるを得なかった」)、結果的に『ザ・ライフ・オブ・ パブロ』になったカニエ・ウェストのアルバムがタイトルを二転三転したことについて情熱的な投稿をしている。

初ツイートの評価:8/10―突飛な話題だが、ここでは賢い忠告を受け入れることができる。確定申告の時期だ。ありがとう、英国歳入税関庁のファーザー・ジョン・ミスティ。

グライムス(@Grimezsz)

デオンは棺に眠る

画像と映像が寄せ集められ、グライムスの活気のあるツイッターではいつも何かが起こっている。

初ツイートの評価:7/10―デオンとは一体誰かを探るためだけに、あなたはフォローしたんじゃないか?

DJキャレド(@DJKhaled)

このDJキャレドのツイッターが用意された。俺と共に俺の人生の旅へみんなを連れていくぜ。これは映画化されるぞ!!!またな!

スナップチャットのキングは、10秒メッセージ・サービスに登場するずっと前からソーシャル・メディアの雄として経験豊富であり、それを初ツイートでお披露目している。彼がこの宣言をノートパソコンの前で叫んでいるのが想像できるだろう。この頃は彼の考えをキーボードでタイプする必要があったのを覚えていたのだ。しかし、そのたった2年後にスナップチャットが発明されることになる……。

初ツイートの評価:9/10―成功への旅路は7年後もまだ道半ばにある。敬意を払うよ、キャレド。

ヒュー・ローリー(@HughLaurie)

サタンの種であるこのテクノロジーは呪われている。ついに私は屈してしまった。暴君を震えさせてみよう。その他もだ。

テレビドラマシリーズ「ドクター・ハウス」のスターは、博学的な言い回しでツイッターに屈した。どうやらサタンはツイッターやってるみたいだね。

初ツイートの評価:7/10―もし全員がヒュー・ローリーみたいにツイートしていたら想像してみ?

ザ・クリブス(@TheCribs)

ロスは、腕を使わないようにという医師の忠告を無視して、新しいアルバムのレコーディングをした後、痛めた腕を治療しに行った。

ウェイクフィールド出身のインディ・バンドの寵児は、2009年のツイッターデビューで本物のロックンロール魂を見せてくれた。いつも通りの姿だ。

初ツイートの評価:7/10―有益な情報で、少しロックンロールだ。

ウォーペイント(@_warpaint)

ウォーペイント

最近、ウォーペイントはスタジオで精力的に活動する4人の写真を公開している。彼女たちのアカウントは素晴らしいインディ・ロックのヒロインたちのファンにとっては理想的だ。

初ツイートの評価:6/10―あらゆる宣伝はいい宣伝だ、そうだろう?

セイント・ヴィンセント(@St_Vincent)

寝てる。コイツに参加したわ。

アニー・クラークは眠そうに初ツイートを打っていたかもしれないが、ツイッターでは明らかに寝ていない。何と早くにパーティに参加したことか!

初ツイートの評価:7/10―アニー・クラークは“コイツ”呼ばわりしたツイッターが今では一大勢力になることを、当時はほとんど分かっていなかっただろう。

スケプタ(@Skepta)

7週間も頭痛が続いてる。すげえ怖い

このラッパーは2009年の開始以降、3万回以上もツイートを投稿している。ありがたいことに、彼はツイッターをMSNメッセンジャーみたいに使う癖をすぐにやめている。

初ツイートの評価:5/10―2009年のスケプタが、この深刻そうな症状を医者に見せたことを祈りたい。

ウェイン・ルーニー(@WayneRooney)

やあリオ、今朝迎えに行こうか

お父さんの初ツイートそのものだ。もしあなたがまだツイッターに参加していないなら、あなたの初めて打ち込むハッシュタグはこれが代表作と決まっている。イングランド代表主将がツイッターで初の試みを行ったのは、あらゆる意味で間違っていて壮観だった。彼は、車に同乗していきなよというお誘いを当時のチームメイトであるリオ・ファーディナンドしか読んでいないと勘違いしたのだろう(しかし、何故いつも@が必要になるんだ? 個人あてメッセージだとしても、@を忘れたっていいじゃないか)。ウェイン・ルーニーは、過去未来にわたって世界が超えることのない素晴らしい初ツイートを決めている。

初ツイートの評価:10/10―数学的に可能ならば11点をあげたいところだ。

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