40位 ヴァルアー『エスカレート』

Photo: Music For Nations
「I’m gonna dance until my body’s numb(身体が痺れるまで踊ってやる)」とヴァルアーのフロントマンであるハミッシュ・ハッチソンはアルバム『エスカレート』から先行でリリースされた“Heartbeat”で誓ってみせる。グラスゴーのレイヴ・パンクスによるデビュー作は汗ばむ暗闇の中に超越を見出している。アシッド色の強いハウスにテクノ、反抗的なギター、感情面での正直さが合わさって、クラブ・カルチャーと地元への賛歌となっており、夜を極限まで満喫している。
39位 マルージャ『ペイン・トゥ・パワー』

Photo: Mikey Thomas
パワフルなデビュー・アルバムでマルージャは世界の共通する痛みと悪態を生々しく強烈で、高揚感あふれるプロテスト・ミュージックへと変えてみせた。ジャズ、パンク、ポストロックの見事なブレンドでマルージャは自らの声を重要な団結の叫びとして使っている。「結束とは決して達成できないものではない」
38位 タイラー・ザ・クリエイター『ドント・タップ・ザ・グラス』

Photo: Columbia Records
9枚目のアルバムとして『クロマコピア』の直後にリリースされた『ドント・タップ・ザ・グラス』はタイラー・ザ・クリエイターにとって最高に遊び心あふれる作品となっている。コンセプトを控え、パンチの効いたリズムとレトロなシンセによるサウンドは80年代ヒップホップにある抗しがたいダンス・スピリットと比類なき自信過剰な大言壮語を融合させている。軽薄で、性急で、そしてなにより重要なのは、とにかく楽しいということだ。
37位 ロシェル・ジョーダン『スルー・ザ・ウォール』

Photo: Empire
『スルー・ザ・ウォール』は自分のグルーヴを見つけただけでなく、それを完全に受け入れることで、あらゆる恐怖や不安が消え去ったアーティストのポートレートとなっている。ロシェル・ジョーダンの至高のサード・アルバムはハウス、ソウル、R&B、そして洗練されたポップ・ミュージックの贅沢なミックスとなっており、苦労して築き上げた音楽的歩みの頂点を示している。
36位 フォーク・ビッチ・トリオ『ナウ・ウッド・ビー・ア・グッド・タイム』

Photo: Jagjaguwar
トレンドは移り変わるものだが、三声ハーモニーは永遠だ。謎めいた雰囲気のアルバム『ナウ・ウッド・ビー・ア・グッド・タイム』は映画『ピクニック・アット・ハンギング・ロック』の失われたサウンドトラックのようだ。フォーク・ビッチ・トリオは切望、恋、成長に伴う痛み、不確実性、セックス、そして死といった感情を9曲に詰め込んでおり、一貫しているのは琴線に触れる連動した声のみとなっている。
35位 ハイム『アイ・クイット』

Photo: Paul Thomas Anderson
フェスティバル仕様のスタジアム級アンセムと内省的な静かな楽曲に分かれたハイム姉妹による通算4作目のアルバムはこれまでで最も多様性に富んだ作品になっている。“Relationships”の包み込むようなポップなフック、“Take Me Back”でのロード・トリップの回想、“All Over Me”のカントリーに、“Everybody’s Trying To Figure Me Out”のロック。『アイ・クイット』はアラナ、ダニエル、エステの3人が破局後の物語を紡いだ作品となっている。
34位 レッチ32『ホーム?』

Photo: Frank Feiber
帰属意識が生まれながらのものではなく、獲得されたもののように感じられるこの時代にレッチ32は故郷を失った静かな痛みと共にある。「故郷はどこだ?」と率直に問いかけるように、彼は拠り所を失った人々にあたたかく魂を癒すような考察を提供する。それは家族、悲しみ、そして自己についての優しい考察に満ちており、これまでで最も静かだが、力強いアルバムとなっている。
33位 ディジョン『ベイビー』

Photo: R&R/Warner Records
ボン・イヴェール、ジャスティン・ビーバー、ポール・トーマス・アンダーソンとのコラボレーションをしながら、今年、ディジョンは素晴らしいセカンド・アルバム『ベイビー』を届けてくれた。彼ならではのプロダクション・スタイル――あたかかく、触れられるような、まるで一緒の空間にいるよう――を極限まで押し進めながら、熱狂的な超越へと辿り着いた。まさにスピリチュアルな体験だ。
32位 ランブリーニ・ガールズ『フー・レット・ザ・ドッグス・アウト』

Photo: City Slang
世界が混沌とする中でブライトンのパンク・ヒーローはデビュー・アルバムで銃撃戦に仏製エクゾセ・ミサイルで応じてみせる。痛烈でありながら愉快で、再現なく引用可能なその歌詞は気持ちのいい有刺鉄線まみれのリフと共に警察による暴力、女性蔑視、親ガチャを批判している。一方、暴動のようなパーティーの狼煙を上げるエレクトロクラッシュ“Cuntology 101”は楽しく罵り言葉が飛び交う背中を押すマニフェストとなっている。
31位 スピリットボックス『ツナミ・シー』

Photo: Pale Chord/Rise Records
傑作となったセカンド・アルバムでスピリットボックスは『ツナミ・シー』というタイトルにふさわしく、摩擦係数の高いメタルコアのサウンドで襲来してみせた。カナダ出身の4人組による深遠で魂を揺さぶるタッチがこのアルバムを際立たせていて、コートニー・ラプランテは幸せに満ちた、そして時に不穏な空気の中で天使と悪魔の間を自在に行き来している。
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