10位 ブロック・パーティー(8/16 SONIC STAGE)

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この日、フロントマンのケリー・オケレケからは何度も笑顔がこぼれていた。そんなリラックスした雰囲気がライヴ全体、ひいては今のバンドの状況を物語っていたと思う。歴史的デビュー・アルバム『サイレント・アラーム』のリリースから20周年を迎えた今年だが、その事実をバンドも正面から受け止めているステージだった。ライヴは“So Here We Are”、“She’s Hearing Voices”から始まったのだが、前半で早くも“Banquet”まで披露される。出し惜しみはなしということだろう。中盤では“Traps”や“The Love Within”、“Blue”といった比較的最近の曲も演奏されるが、後半は再び往年のモードへと立ち返り、“Like Eating Glass”や“Helicopter”といった珠玉の楽曲が投下されていく。終盤はセカンド・アルバムからの“Flux”に『サイレント・アラーム』からの“This Modern Love”という展開で、時の試練に耐えうる愛すべき作品を作ってきたという事実の大きさを感じたライヴだった。

09位 カミラ・カベロ(8/17 MARINE STAGE)

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そのステージ・セットに目を奪われる。炎天下のステージにそびえるのは巨大な白の立方体だ。「Yours, C」と題された映像が流れた後、立方体の上にカミラ・カベロその人が現れる。1曲目は“Shameless”だったのだが、そのパフォーマンス中に立方体は見る見る内に解体されていき、カミラ・カベロが中の階段を降りてくる。解体された立方体の外壁はマットのような役割も果たしていて、カミラ・カベロはその上でダンサーたちと戯れてみせる。このオープニングに象徴的な通り、全方位的なエンタテインメントを展開しながら、今のモードを提示していくというのが今回のライヴで、最新作『C,XOXO』の曲を披露しながら、“Never Be the Same”や“My Oh My”、“Señorita”といったキラー・チューンも聴かせてくれる。もちろん、終盤は“Bad Things”や“Havana”といったキャリアを作ってきた楽曲が飾ることになったが、最後は最新作からの“I LUV IT”で締めくくり、「ダイスキ」と日本語で観客に呼びかけていた。

08位 J. バルヴィン(8/17 MARINE STAGE)

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ステージに現れたJ. バルヴィンはよく工事現場で目にするようなファンの付いた空調服のベストを着ている。パーティー・ソングの王様でありながら、それがどこかしっくりとくるのがJ. バルヴィンという人だと思う。ライヴはイントロで大きな歓声がわき起こったキラー・チューン“Mi gente”で始まった。花道に出て観客を煽りつつ、J. バルヴィンは2曲目の“Reggaeton”が終わったところで「アリガトウゴザイマス」と日本語で挨拶してみせる。早々に“Ginza”も披露されるが、テンションが落ちることはない。“Amarillo”ではハンドクラップを求め、“Loco contigo”にはカウントダウンと共に突入していく。タンクトップ姿になった後は同じコロンビアのフェイドを“Doblexxó”で迎えつつ、“X”や“I Like It”といった楽曲が披露され、終盤は“RITMO”、“Qué calor”、“In da Getto”といったナンバーが連発される。最後、J. バルヴィンは両手を合わせて感謝を伝えていたが、その地に足のついた姿勢が清々しかった。

07位 ヤングブラッド(8/16 MARINE STAGE)

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登場するやいなや「コンニチハ、ジャパン!」と叫んで、「手を挙げろ!」と観客に呼びかける。ライヴは最新作『アイドルズ』の“Hello Heaven, Hello”から始まったのだが、目の前の観客と全力で向き合おうとする人だ。アップテンポの“The Funeral”が続いて、その勢いはさらに増していく。昔はそうしたアティテュードが一人歩きしてしまうこともあったのだけど、“Lovesick Lullaby”と進んでいくにつれ、いまや違った場所にいるのを感じる。先日、ブラック・サバスの最後のライヴで披露した“Changes”も絶賛を受けた彼だが、キャリアを重ねてきた自信が滲み出ている。ステージに上げたファンにギターを任せた“fleabag”を挟んで、“braindead!”ではクラウド・サーフィンも見せたりするが、そうした今のモードが端的に表れていたのが、最後に演奏された最新作からの“Ghosts”と“Zombie”で、これまでガムシャラに突っ走ってきた彼が七転八倒しながらも着実に歩みを進めているのを感じた。

06位 21サヴェージ(8/17 MOUNTAIN STAGE)

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ピクサーのパロディ映像を皮切りに、クイーンの“We Will Rock You”まで使ってDJがひとしきり盛り上げたところで、ステージ上手からゆっくりとキッスのTシャツを着た21サヴェージが現れる。1曲目は“No Heart”で、彼ならではの落ち着いたトーンでラップを重ねていく。すぐさまドレイクとのコラボレーションとなる“Jimmy Cooks”と“On BS”が続き、観客に「ヘル・イェー」のコール&レスポンスを求めてみせる。やるべき曲には困らない人なので、“Peaches & Eggplants”や“Topia Twins”といった楽曲と共に“Red Opps”や“X”が披露され、“Bank Account”では大きなシンガロングが巻き起こる。そこに“Runnin”、“Glock in My Lap”と続いてライヴは佳境へと入っていき、満を持して“Rockstar”が披露されると、大きな炎の柱が上がる。さらに“Creepin’”、“a lot”、“Rich Flex”、“redrum”で最高潮に達した光景を観て、彼が日本の地を踏んでいる貴重さをあらためて実感していた。

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