30位 tripleS『ASSEMBLE24』
tripleSはよくあるようなK-POPグループではない。24人のメンバーが複数のサブユニットに分かれ、常に変わり続ける万華鏡のようなサウンドを作り上げてきた。デビュー・アルバム『ASSEMBLE24』ではレトロ・フューチャーなシンセ・ポップやR&B、アシッド・ファンクをシームレスに鮮烈な形でミックスしているのを聴くことができる。短いけれど、爽快な乗り心地――ベルトを締めて、しっかりつかまっていてほしい。
29位 アミル・アンド・ザ・スニッファーズ『カートゥン・ダークネス』
アミル・アンド・ザ・スニッファーズの『カートゥン・ダークネス』は表面的には気候変動や人工知能の台頭といった破滅的なテーマを彷彿とさせる。しかし、裏に目をやれば、オーストラリア出身のパンク・ロッカーが(空港で)悪態をつきながらはしゃぐような多くの楽しさで溢れている。これまででも最も熱いアルバムとなっている。
28位 スクールボーイQ『ブルー・リップス』
痛烈ながらソウルフルな『ブルー・リップス』でスクールボーイQは死への哀悼、トラウマ、内省といった極めて個人的なテーマを掘り下げている。そのモードは様々だが、詰め込みすぎだったり雑然とした印象はまったくない。代わりに、その混乱が彼の複雑な思考に切迫感を与え、本作を近年でも最も素晴らしい作品にしている。
27位 ノックド・ルース『ユー・ウォント・ゴー・ビフォー・ユーアー・サポーズド・トゥ』
この驚くほど強烈で、極めて鋭いメタルコアのコレクションはグラミー賞にノミネートされたノックド・ルースにとって脅威を感じさせながらも、人を夢中にさせる飛躍となった。その10曲には現代のヘヴィ・ミュージックにおける最高の漆黒の一撃が無慈悲かつ臨場感のある妙技で詰め込まれている。再生ボタンを押すと、その爪があなたの首を締め付けるように感じられるだろう。
26位 ベス・ギボンズ『ライヴス・アウトグロウン』
10年の歳月をかけて制作されたベス・ギボンズのソロ・デビュー・アルバムは、そのタイトルにふさわしく、細心の注意を払いながら衰退や再生といった人生の重要な局面に美を見出すものとなっている。ポーティスヘッドに名声をもたらすことになった幽玄な魅力を湛えながら、『ライヴス・アウトグロウン』はベス・ギボンズにとってこれまでで最も実直な作品であるだけでなく、聴く人を虜にする作品となっている。
25位 ザ・スマイル『ウォール・オブ・アイズ』
2022年発表のファースト・アルバムはザ・スマイルをレディオヘッドのサイド・プロジェクトとして紹介するものだったが、セカンド・アルバム『ウォール・オブ・アイズ』は優れたプロジェクトとしてバンドを確立させるものとなった。トム・ヨークとジョニー・グリーンウッドはこれまで聴いたことがないほど、音楽的なこだわりとダイナミクスの基準を上げつつ、丁寧に作り込まれた細部を活かすために一歩引いた音を鳴らしている。
24位 アリアナ・グランデ『エターナル・サンシャイン』
アリアナ・グランデにとって今年のハイライトは『ウィキッド ふたりの魔女』の映画で夢見ていた役を演じたことだろうが、私たちにとっては通算7作目となる繊細なスタジオ・アルバム『エターナル・サンシャイン』で彼女が離婚後の物語を紡いでみせたことだった。いつになく抑制されたヴォーカル・パフォーマンスはこのアルバムの内省的なソングライティングを際立たせることとなった。
23位 ザ・ラスト・ディナー・パーティー『プレリュード・トゥ・エクスタシー』
『プレリュード・トゥ・エクスタシー』でザ・ラスト・ディナー・パーティーは否定派が間違っていることを証明し、近年で最強のロック・デビュー作の一つを作り上げてみせた。華々しいアルバム全体を通して、彼らはゴシック・ロマンスと少女時代の物語を織り交ぜながら、その職人技を発揮して、無限の可能性へと深く飛び込んでいる。グラマラスで、図太く、自信に満ちたデビュー作だ。
22位 エイドリアン・レンカー『ブライト・フューチャー』
テープに直接レコーディングされた『ブライト・フューチャー』はその誠実さが光っている。足音、控えめの会話、遠くの笑い声がエイドリアン・レンカーによるこれまででも最も破滅的なリリックにとって理想的とも言える渇いた背景を与えている。そこで彼女は悲劇的な終焉が運命づけられていた愛の廃墟から、あたたかく貴重なものを生み出してみせた。
21位 ゲッツ『オン・パーパス、ウィズ・パーパス』
鋭いリリックと軽快なフロウを届けてきた20年を超える経験を経て、ゲッツは情緒的な『オン・パーパス、ウィズ・パーパス』でその実力において新たな高みに達している。生々しく遠慮のないアルバムはUKで最も信頼できる傑出したストーリーテラーの一人としての地位を再確認させる、目もくらむような傑作となっている。
広告 ザ・ビートルズの新作ドキュメンタリー『ビートルズ ’64』がディズニープラスで11月29日(金)より独占配信!
Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.