先日開催されたAmazon Musicインフルエンサーサミットにうかがうことができた。このイベントはソーシャル・メディアで発信を行っているインフルエンサーを通して、音楽ストリーミング・サービスとしてのAmazon Musicの魅力を知ってもらおうというもので、日本では初開催となる。この記事はそのイベントを取材したPR記事で、当日のイベントがどのように進んでいったのかをレポートしていきたい。

イベントが開催されたのは渋谷にあるAmazon Musicスタジオだった。スタッフの方もおっしゃっていたのだが、建物の下にはライヴハウスにしてミュージシャンのマネージメントも行っているShibuya eggmanがあり、道路を挟んで向かい側はLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で、代々木公園のほうへと向かっていくと、NHKの社屋とNHKホール、その先には国立代々木競技場 第二体育館と国立代々木競技場 第一体育館がある。つまり、音楽イベントの会場に取り囲まれるような形で、音楽に特化したスタジオとしては格好の立地と言えるだろう。

イベントは1階のオープンスペースにインフルエンサーの方たちが集まる形で始まった。このスペースにはゾンビーズの『オデッセイ・アンド・オラクル』、バッファロー・スプリングフィールドの『アゲイン』、トム・ペティの『フル・ムーン・フィーヴァー』といったアナログ盤が陳列されており、当日は12月だったこともあって、ドラムのタムを使って雪だるまを表現したクリスマスらしいオブジェなども設置されている。

60人のインフルエンサーが揃ったところで、3つのグループに分かれて、Amazon Musicスタジオの施設を巡るツアーが始まる。自分のグループが最初に向かったのは2階にあるセミナールームで、ここでまず音楽ストリーミング・サービスとしてのAmazon Musicのプレゼンテーションが行われる。Amazon Musicには月額1,080円(プライム会員の場合は月額980円)でオフライン再生も含めて聴き放題の「UNLIMITED」、月額600円(プライム会員の場合は無料)でプレイリストを使って100曲のオフライン再生が可能な「PRIME」、Amazonのアカウントがあれば支払い方法の登録不要の「FREE」という3つの料金プランがある。

ライブラリにあるすべての音楽を自由に聴くことができる「UNLIMITED」はもちろんだが、100曲のプレイリスト(正確には50曲のプレイリスト2つ)を活用して、今聴きたい曲のオフライン再生も行える「PRIME」のプランを使って、プライム会員を始めとした人々にAmazon Musicというサービスを使ってもらいたいというプレゼンテーションが行われる。そうすると、確かにキーとなってくるのはプレイリストであり、ひいてはインフルエンサーと呼ばれる存在になってくる。

次に向かったのは3階にある白のホリゾントのある撮影向けスタジオで、横には茶室をイメージしたというポッドキャスト用のスタジオがある。このポッドキャスト用のスタジオではAmazon Music独占コンテンツとなる有田哲平(くりぃむしちゅー)による「有田脳」などの収録も行われているという。3階の撮影向けスタジオでプレゼンテーションされたのは「Amazon Music For Influencer (AM4I)」というものについてだ。

上記の料金プランもあり、Amazon Musicでは既存のAmazonアソシエイトから切り離された、ソーシャル・メディア用の独立したAmazon Music専用のアフィリエイトプラットフォームをスタートさせていて、それが「Amazon Music For Influencer (AM4I)」になる。インフルエンサーはお勧めのプレイリスト、お気に入りの楽曲、自分の作ったプレイリストをフォロワーとシェアすることでコミッションを得ることが可能になる。

プレゼンテーションでは具体的に「Amazon Music For Influencer (AM4I)」を使って、ソーシャル・メディア向けのアフィリエイト・リンクを生成するチュートリアルが行われた。インフルエンサーは専用のページを登録することで、自分だけのアフィリエイト・リンクを作ることができ、それをソーシャル・メディアに掲載することで拡散が可能になる。

4階はレコーディングロッジ、グリーンルーム、ヴォーカルブースで構成される音楽スタジオとなっていて、宇多田ヒカルやELLEGARDENもこのスタジオを使ったことが紹介される。今年のサマーソニックにも出演したジェイコブ・コリアーはこのスタジオで20人の観客を前にライヴで行ったとのことで、ミュージシャンに最も近いスペースということになるだろう。イベントではインフルエンサーによる写真撮影が行われている。

最後は1階に戻って、アニソンやJ-POPを次々とショートミックスするスタイルで知られるDJシーザーによるパーティーが開催された。その中でAmazon Musicのゼネラルマネージャーである大石圭介はこうしたインフルエンサーへの取り組みなどを通して「一人でも多くの皆様にAmazon Music PRIMEを使っていただきたい」とおっしゃっていた。

取材を通して感じていたのは、きっと音楽に詳しい方も多いであろう本サイト「NME Japan」のユーザーのような人にこそインフルエンサー・プログラムを使ってもらいたいということだ。ただ、そこにはソーシャル・メディアの力学も加わってくるので、いろんなアングルが入ってくるのだけど、ソーシャル・メディアが音楽にとってポジティヴな形で使われているところを見てみたい気持ちはあり、それはこうした場合、どんな形になるのだろう?と相も変わらず考えている。

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