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ミック・ジャガーとキース・リチャーズが初めて出会ったのは、1950年代初頭のウェントワース小学校だった。当時、彼らは大の仲良しではなかったが、歴史上最も偉大なソングライティングの相棒の一組となる種は蒔かれていた。それから早60年、グリマー・ツインズは新たなアルバムをリリースしている。ここでは絶対に外すことのできない10曲の名曲を御紹介する。

10位 “Loving Cup”

ザ・ローリング・ストーンズがカントリー、ソウル、ブルースをブレンドして新しい独自のサウンドにしてしまう好例と言える名作だろう。ニッキー・ホプキンスによる陽気なピアノのイントロは間違いなくハイライトだが、生々しく感情の入ったミック・ジャガーのリード・ヴォーカルも最高の部類だ。マーティン・スコセッシが手掛けたライヴ映像作品『シャイン・ア・ライト』よりジャック・ホワイトとのデュエットを観てほしい。

9位 “All Down The Line”

同じく『メインストリートのならず者』の収録曲だが、このランキングでも最も過小評価されている曲と言えるかもしれない。1972年発表の傑作の第4面に収録された“All Down The Line”はブルース感溢れるオルガン、高揚感のあるトランペット、ダーティーなエレキギターと共に舞踏場への容赦ない一撃となっている。あまり知られていない名曲だ。

8位 “You Can’t Always Get What You Want”

レコードでは間違いなく荘厳な印象だが、このロック・ゴスペル大作はライブで演奏されると新たな命が吹き込まれる。大きくなっていくストリングス、歓喜に満ちたホーン、30人のコーラス隊が近年のツアーでは印象的な効果を与えていた。それはきっと忘れられない瞬間になる。

7位 “Wild Horses”

エタ・ジェイムズ、ポール・サイモン、ボブ・ディランらがレコーディングを行ったアラバマ州の伝説的なスタジオ、マッスル・ショールズでレコーディングされた“Wild Horses”はザ・ローリング・ストーンズにとって最高のバラードと言っていいかもしれない。ミック・ジャガーがマリアンヌ・フェイスフルと破局した直後に書かれた“Wild Horses”は、愛する人から何千マイルも離れるツアーに出たくないという悲しげな寓話となっている。

6位 “Brown Sugar”

大半をミック・ジャガーが書いた超強力なロック・ナンバーはザ・ローリング・ストーンズを1970年代へと突入させることになった。60年代の線の細い薄いギター・サウンドはなくなり、巨大なスタジアムでのライヴを想定した、ラウドで勢いのある新たなアンプのサウンドが取って代わることとなった。“Brown Sugar”は、今日知られているような、すべてを支配するロックンロールの巨人として変貌を遂げる新しいザ・ローリング・ストーンズの姿を見せる最初のシングルだった。

5位 “Shine A Light”

穏やかなピアノから始まる“Shine A Light”はエレクトリックなサウンドのソウルフルなクライマックスへとゆっくり盛り上がっていき、ザ・ローリング・ストーンズにとって最も心を打つ作品の一つとして数えられることになった。この曲ではビリー・プレストンが鍵盤を担当しており、彼の地元の教会に行ったことでゴスペルのフレーヴァーが加わることになったとミック・ジャガーは述べている。

4位 “(I Can’t Get No) Satisfaction”

ザ・ローリング・ストーンズで最も有名なこの曲はもう少しで存在しないところだった。アメリカ・ツアーの間にデモがレコーディングされたが、ある日の午後、ラジオからそのアコースティックによる「スケッチ」バージョンが流れてきて、キース・リチャーズは驚いたという。「あの曲はまだまだ原型の段階だったんだ。ファズのギターは、ちょっとした仕掛けのつもりだったんだ」と彼は後年語っている。「俺の言う通りになっていたら、“(I Can’t Get No) Satisfaction”はリリースされていなかっただろうね」幸運にもそのようなことにはならなかったのだ。

3位 “Sympathy For The Devil”

1969年のオルタモント・フリー・コンサートでメレディス・ハンターが殺害された時、ザ・ローリング・ストーンズはこの不気味で悪魔的な曲を演奏していたという伝説がある。実際には“Under My Thumb”を演奏していたのだが、これによって長い間、“Sympathy For The Devil”はライヴのセットリストから外されることになった。後年、この曲はライヴでも演奏されるようになり、今ではファンに人気の楽曲となっている。

2位 “Jumpin’ Jack Flash”

烈火の如く爆発するような、この60年代末のロック・ナンバーは不評だった『サタニック・マジェスティーズ』のサイケデリアを経て、ブルースのルーツへとバンドを立ち返らせることになった。キース・リチャーズも最も好きな自身の書いた曲として挙げる“Jumpin’ Jack Flash”は頻繁にライヴのオープニングで披露されてきた楽曲で、この曲より知られているのは“(I Can’t Get No) Satisfaction”くらいだろう。

1位 “Gimme Shelter”

ヴェトナム戦争中の1969年に発表されたこの珠玉の作品はヒッピーが描いた夢への物悲しい嘆きと言えるだろう。残酷な歌詞ではレイプ、殺人、死といったものがすべて扱われ、キース・リチャーズによる不穏なギター・リフの上をメリー・クレイトンの全身全霊のヴォーカルが突き抜けていく。神秘性と爽快感と忌わしさが同程度で並び立っている。これ以上のザ・ローリング・ストーンズはないだろう。

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