シルヴァー・アップルズの結成メンバーであるシメオン・コックスが亡くなった。享年82歳だった。
アラバマ州の死亡記事によれば、シメオン・コックスはアラバマ州フェアホープで現地時間9月8日に亡くなったという。
「彼はアーティストかつニュース・レポーター/プロデューサーで、70年代はアラバマ州モービルのテレビ局WKRGで働いており、70〜80年代には他のアラバマ州のテレビ局でも仕事をしていました」と死亡記事では述べられている。「彼は自身のバンドであるシルヴァー・アップルズのエレクトロニック・ミュージックの名作で世界的に有名でした」
「彼は兄弟のデヴィッド・S・コックス、甥のアーロン・コックスや家族、長年連れ添ってコラボレーションを行ってきたリディア・ウィン・レヴェルトに看取られました」
多くのミュージシャンやジャーナリストがシメオン・コックスに追悼の意を表しており、ポーティスヘッドのジェフ・バーロウは次のように述べている。「音楽だけでなく、人生においてもインスピレーションとなった存在だった」
RIP Simeon Cox
What an amazing guy he was
an inspiration not just musically But in life as we hung out many times over the years
Hopefully now him and Danny can play as silver apples in the sky as they were supposed
very sad x
Thx to @adrianutley for introducing them to me pic.twitter.com/Ilc3hKP0zZ— Geoff Barrow (@jetfury) September 9, 2020
シメオン・コックスは1938年にテネシー州東部で生まれ、ニューオーリンズで育っている。シメオン・コックスとドラマーのダニー・テイラーは以前のバンド、オーヴァーランド・ステージ・エレクトリック・バンドを解散させた後、60年代後半にシルヴァー・アップルズを結成している。
シルヴァー・アップルズの音楽は当時前例のないもので、シメオン・コックスは「ザ・シメオン」というエレクトロニックの楽器を独自で開発している。レッド・ブル・ミュージック・アカデミーによれば、「ザ・シメオン」は16のオシレーター、フットペダル、スウィッチ回路、ワウ・ペダル、エコープレックスなどで構成されていた。
シルヴァー・アップルズは1968年にデビュー・アルバムをリリースし、翌年にはアルバム『コンタクト』をリリースしている。その当時、ジミ・ヘンドリックスともセッションを行っており、ウッドストックでのパフォーマンスに先立って“The Star Spangled Banner”もレコーディングしている。
「そう、一緒に演奏している時にたまにテープを回していて、そのうちの一部が残っていたんだ」とシメオン・コックスは2010年のジェフ・バーロウによるインタヴューで語っている。「ジミ・ヘンドリックスと僕とで“The Star Spangled Banner”に取り組んだ2トラックのダビングしたものを発見したんだ」
セカンド・アルバムのリリース後、シルヴァー・アップルズは1970年に解散している。シメオン・コックスは1996年にキーボーディストのシアン・ホーキンス、ドラマーのマイケル・ラーナーと共にシルヴァー・アップルズを再開させている。シメオン・コックスとドラマーのダニー・テイラーは1998年に再結成してアルバム『ザ・ガーデン』をリリースしている。この年、シメオン・コックスは自動車事故で激しい怪我を負っている。
ダニー・テイラーは2005年にガンで亡くなったが、シメオン・コックスはソロで活動を続けていた。シメオン・コックスは2016年にシルヴァー・アップルズの最後のアルバム『クリンギング・トゥ・ア・ドリーム』をリリースしている。
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