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マドンナは11月14日に行われたストックホルムの公演で6分間中断して、パリ同時多発テロについてのスピーチを行っている。

テロの犠牲者に捧げられた“Like A Prayer”の前に、ステージに上がると決心することが難しかったことについて触れ、なぜ最終的にそうすることに決めたかを説明している。

「このショウはすべて、人の生命を祝福することについてのものであり、みんなの権利を守ることについてのものであり、自分が信じているもののために闘うことについてのものなの」とマドンナは語っている。「昨晩、起こったことを忘れることなく、ここまでショウをやり遂げるのは本当に大変なことだったわ。だから、昨夜パリで起こったこと、悲劇的な殺害事件によってかけがえのない命が無意味に失われたことを確認するために、この時間をとらなければならなかったの」

「一日中、不安だったわ」と続けている。「ショウをやっていくのは本当につらかった。だって、いろんな意味で悩んでいたから。愛する人を失って人々が泣いてるときに、踊って楽しんでる場合なのか、ってね」

彼女はステージに上がろうと思った理由について、メッセージを出したかったからだと説明している。「彼らはわたしたちに黙ってほしいと思ってる。静かにしてほしいと思ってる。だからこそ、そんなことをさせるつもりはないわ。絶対にそんなことをさせない。なぜなら、結束の力があるわけで、パリに限ったことでなく、この世界で起きている混乱や、苦痛、意味のない暴力やテロと同じくらい、そうした結束の力も起きてるんだと信じてるの。この世界には善き部分だってもっとたくさんあるのよ。それを証明するために、私たちはここにいるの」

さらにこう続けている。「今夜のライヴをキャンセルしようとも思ったわ。でも、心の中で思ったのよ。『なんで彼らにそんな機会を与えなきゃいけないのか』って。『なんで私をストップさせることを許すの?』って。『なんで自由を楽しむことを妨げてしまうのか』ってね。人々が殺されているあらゆる場所でも、人々は楽しんでもいる。みんな、楽しんで生きているのよ。レストランで食事をしたり、踊ったり歌ったり、サッカーの試合を観たりね。こうしたことはわたしたちの当然の自由だわ。そうしなきゃいけないってことじゃない。でも、わたしたちが享受することのできる自由なのよ。一所懸命働いて、わたしたちは楽しむ価値があるの。大好きなことをやめさせる権利のある人間なんてこの世界にはいないのよ」

また、お互いを敬意をもって接するように彼女は促している。「人間の生命に敬意を持てない人もいる。残虐で、品のない、許せないことを他人にする人だっている。でも、自分たちを変えない限り、絶対にわたしたちの暮らす世界を変えることはできないの。日々の基準に沿ってお互いを扱う関係を変えない限りね。そう、世界を変える方法は違う大統領に投票するのでも、100人以上の人を殺すのでもない。世界を変える方法は、単純に日々の基準に沿ってお互いを扱う関係を変えることなの。わたしたちはすべての人々を尊厳と敬意をもって接することを始めなければならないのよ。それこそが世界を変える唯一の方法なの。それだけなのよ。愛だけが世界を変えることができる。けど、無条件の愛というのは大変だわ。理解できない人々や自分と違う人々を愛するのも難しい。でも、そうしなければならない。そうじゃないと、こんなことが永遠に続いていってしまうわ」

この後、マドンナは黙祷を捧げ、“Like A Prayer”を披露している。そのなかで彼女は「ノー・モア・ウォー」と叫んだという。

スピーチの映像はこちらから。

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