グラミー賞のエグゼクティヴ・プロデューサーであるケン・アーリックは現地時間1月26日に開催された第62回グラミー賞授賞式で元バスケットボール選手のコービー・ブライアントを追悼するパフォーマンスが実現した経緯について語っている。
41歳だったコービー・ブライアントは現地時間1月26日、乗っていた自家用ヘリコプターがカリフォルニア州カラバサスに墜落した事故で亡くなっている。この事故では9人が亡くなったことが報じられており、その中には彼の13歳だった娘のジアナ・ブライアントも含まれている。
この悲劇的な事故はロサンゼルスで第62回グラミー賞授賞式が開催される直前に起きており、授賞式では司会を務めたアリシア・キーズがコービー・ブライアントへの追悼としてボーイズⅡメンと共に彼らの1991年リリースのヒット曲“So Hard to Say Goodbye”をパフォーマンスしたことを初め、多くの出演者がパフォーマンスの中で彼に追悼の意を表している。
今回、ケン・アーリックは既に当日のリハーサルが開始した後でコービー・ブライアントの訃報を知ったとのことで、授賞式で彼への追悼を捧げることに決めた理由について米『ビルボード』誌に次のように語っている。
「私たちは彼(が現役を通して所属していたロサンゼルス・レイカーズ)のホームであるステイプルズ・センターにいたのです。壁には彼の2枚のジャージも飾られていますし、行わずにはいられませんでした」と彼は語っている。「それから、彼は多くのミュージシャンにとって近しい存在だったばかりでなく、誰しもから尊敬されていた人物でした。どこへ行っても彼の24番の背番号が目に入るはずです」
続けて、アリシア・キーズがタイラー・ザ・クリエイターとの共演で授賞式への出演が決定していたボーイズⅡメンと共に追悼パフォーマンスを行うことが決まった経緯については次のように語っている。「お昼の12時半を回った頃だったかと思いますが、私はステージに向かうアリシアを呼び止めて、彼女にこう伝えました。『悲しいニュースがあるんだけど、これから話すことをよく聞いてほしい。君に意見を聞きたいことがあるんだ』と」
「アリシアと私は当初、ゴスペルの楽曲はどうかという話をしていました。具体的な言及はしませんでしたが、私はボーイズⅡメンを念頭に置いていました。話を終えた後で、5分ほど経過すると彼女のチームの1人から電話がかかってきて、『ボーイズⅡメンに“It’s So Hard To Say Goodbye to Yesterday”をやってもらうことは可能ですか?』ということを訊かれました。それで、私たちは彼らを呼び、彼女の楽屋に入ってもらいました。それが本番15分くらい前の出来事です。彼らは10分ほどリハーサルに取り組んだ後で、本番に臨みました」
この日の授賞式ではリル・ナズ・Xやエアロスミス、ニプシー・ハッスルの追悼パフォーマンスでステージにコービー・ブライアントのジャージが飾られていたほか、リゾはオープニングを飾ったパフォーマンスをコービー・ブライアントに捧げている。
「何人かから電話を受け、(コービー。ブライアントのために)何かしたいと考えている人たちが他にもいることを知りました」とケン・アーリックはコービー・ブライアントに追悼の意を表した一連のパフォーマンスについて語っている。「ステイプルズ・センターの代表を務めるリー・ゼイドマンに話すと、彼はこう言ってくれました。『ジャージでも、機材でも、必要な物を用意します』と。そうして我々は何枚かのジャージを入手し、数人のパフォーマーに渡したのです」
一方、アリシア・キーズは授賞式後にインタヴューに応じて、授賞式ではコービー・ブライアントの「エネルギーと闘争心」が自らを前に進めてくれたと述べている。
広告 【独占配信】エミー賞®史上最多18部門受賞の歴史的快挙!真田広之主演&プロデュース「SHOGUN 将軍」をディズニープラスで見る
Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.