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UKにおける音楽ストリーミング・サービスでの売上が初めて10億ポンド(約1400億円)を突破している。

エンタテインメント流通協会がまとめた年末の統計によれば、2019年のUKにおける音楽ソフトの売上は2018年に較べて7.1%上昇している。

この統計はオフィシャル・チャート・カンパニーのデータを基にしたもので、ストリーミング数についてはストリーミング・サービスからの情報と英国レコード産業協会に報告されたレーベルの収入から試算されている。

統計ではフィジカルの音楽ソフト売上は17%下落して、3億1810万ポンド(約445億円)となっており、うち約3分の1はアナログ盤の収入で、こちらは6.4%上昇して、9700万ポンド(約135億円)に達している。一方、ダウンロードは27%下落して、8970万ポンド(約125億円)に留まっている。

一方、ストリーミング・サービスの売上は23%上昇し、初めて10億ポンドを突破している。この数字は5年前のUKにおけるストリーミング・サービスの売上の4倍となっており、ストリーミング・サービスの売上が3100万ポンドだった2010年と比べると31倍となっている。

2018年に較べて7.1%上昇した2019年のUKにおける音楽ソフトの売上は14億ポンド(約1960億円)に達している。

また、英国レコード産業協会の年次統計によれば、2019年にUKでは1140億曲が再生され、アルバムの合算セールスは2018年に較べて7.5%上昇し、1億5400万枚に達している。

英国レコード産業協会の統計とエンタテインメント流通協会の統計には音楽の消費数上昇率で違いがあるが、これはエンタテインメント流通協会の統計がUKで消費された音楽流通に焦点を当てているためとなっている。

10年の振り返りでは2019年の音楽ソフトの売上は2010年に較べて19.1%上昇している。2010年時点でのUKにおける音楽ソフトの売上は12億ポンド(約1680億円)だった。

当時は音楽ソフトの大部分をフィジカルが占めていて、8億7200万ポンドがCDとアナログ盤のセールスによるものだった。2019年の3億1800万ポンドというフィジカルの売上はそこから63%の下落となっている。ダウンロードはこの10年で68%下落している。

「(2019年は)UKのエンタテインメントの歴史でも最も激動の10年の終わりと言えるでしょう」とエンタテインメント流通協会のCEOであるキム・ベイリーは語っている。

デジタル・サービスと流通業界による革新と投資がフィジカルで所有するマーケットからデジタルで消費するマーケットへの移行を促進したとして、キム・ベイリーは次のように述べている。「より多くの人がストリーミング・サービスに登録しており、同じ成長率を維持できるかが挑戦です」

「しかし、UKの音楽ファンが2018年よりも2019年に1億9000万ポンドも多くストリーミングで消費したという事実があり、これはアナログ盤の売上の約2倍となっています」

スポティファイは先日、エド・シーランが2010年代に世界で最も再生されたアーティストの1人だったことも発表している。

スポティファイは2010年代に世界で最も再生されたアーティストのランキングを発表して、1位がドレイクが、2位がエド・シーランであることが明らかになっている。

UKでこの1年間にスポティファイで最も聴かれた楽曲はルイス・キャパルディの“Someone You Loved”となっており、アルバムはビリー・アイリッシュの『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』となっている。

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