ザ・1975のフロントマンであるマット・ヒーリーは新たなインタヴューでLGBTQコミュニティに対する平等を支持すると発言している。
『アティテュード』誌によるインタヴューの中で、マット・ヒーリーは今年8月に行ったドバイ公演でアラブ首長国連邦の反LGBTQ法に反して男性ファンにキスをしたことについて語っている。
マット・ヒーリーは当時、ドバイ公演を終えた後で次のようにツイートしている。「ありがとう、ドバイ。君たちは最高だったよ。僕の『行為』のせいでもう戻れないかもしれないけど、君たちを愛しているということを知っておいてほしい。もう一度機会を与えられたって、僕は同じことをするよ」
マット・ヒーリーは『アティテュード』誌とのインタヴューでドバイ公演を振り返り、次のように語っている。「プロモーターの1人から『君は逮捕されるぞ』って言われてね。この時はまだ時差ボケだった時で、ハッパを持っていたわけでもなかったし、UAEにいるわけでさ。『どうでもいいや』って感じだったんだ」
「そうしたら、警察の人間や警備員にはカメラの映像を見る権限が与えられていてね。その時にどうやら、プライドの旗が映ったんだ。警察官たちが走ってバックステージに来て、俺をステージから下ろして逮捕するって言ってきてさ。そうしたら、プロモーターが『違います、彼らをブッキングしたのは私たちです』って言ってくれて、彼が逮捕されることになったんだ」
マット・ヒーリーは続けて、当該の出来事について言及された投稿をソーシャル・メディアで読んだ後で自身とキスをした男性ファンのその後が心配になったとして次のように語っている。
「俺の公演はいつだってゲイ的だけど、あれはこれまでで最もゲイ的なライヴだったと思う。解放されたかのようで、ようやく彼らにもドバイで行くべき場所ができた瞬間だったんだ。盛大な祝福だったんだよ……ツイッターで(キスをした)彼を見つけて、彼の友達にメッセージを送ったんだ。『参ったよ。大丈夫かい?』ってね。彼からは、『どういう意味ですか? 今はバーにいるんですが、人生で最高の夜でしたよ』っていう返事がきてね。セルフィを送ってくれたんだ」
「『恐ろしい記事を読んだんだ』って、人々がどう言っているかについてのリンクを送ったんだ。彼らは『こういうことは止めてくれ』ってツイートしていたよ。人々は想像上のことを事実として提示してくるわけでさ。頭にくるよね」
また、マット・ヒーリーは幼少期にゲイの人たちがいるコミュニティで育ったことについても言及して、当時の体験が自身のセクシャリティに反映されていると語っている。
「母親のクルーに(会員制のクラブである)ザ・グルーチョに通うゲイの秘密結社の一員のような人がいてね」とマット・ヒーリーは語っている。「俺は15歳になる頃には何度もバーで寝泊まりするようになっていたんだけどさ。俺が現実の世界で初めて性的なキスを見たのは、2人の男性のそれだったんだ。母親の仲間だった2人でね。公演でダンサーをやっていた人たちだったんだ」
「振り返ってみると、そのことが自分にとっての人格形成になっていたんだと思う。自分のなかではそれが『普通』になるんだからね。俺はゲイの人たちのコミュニティで育ったんだ。自分の積極的な活動の原点はそこにあると思う」
彼は次のように続けている。「自分のセクシャリティについては露骨に話し過ぎないようにしているんだ。話す必要がないと思っているし、何事も変わり得るからね。俺は美的感覚を持っているから、客観的に男性たちを美しいと思うこともある。男性に会った時に『驚いたな。彼はすごく魅力的だ』って思う時もあるわけでさ」
「その時には自分のセクシャリティが変化するんだ。美しい男性にはキスをしたいと思うし、したこともあるからね。やりたいとは思わないんだけどさ。それに関しては、足止めされているという感じだね」
先日、ザ・1975は最新シングル“Frail State Of Mind”のミュージック・ビデオが公開されている。
ミュージック・ビデオは未来的なイメージとレトロなイメージが組み合わさった、壊れたコンピューターを想起させるもので、両性具有的なマット・ヒーリーが昔ながらのテレビ・モニターに囲まれているものとなっている。
『NME』は“Frail State Of Mind”についてレヴューで次のように評している。「マット・ヒーリーがなぜ“Frail State Of Mind”で歌われているような気持ちを抱えているのかは分からないし、彼がなぜ時々こうなってしまうのかも分からないが、素敵な夜の外出を邪魔し、精神を崩壊させてしまうものがあるとすれば、それは不安や恐怖という感情だろう。そういう意味で、ザ・1975は私たちの現状にリアルに訴えかける楽曲を再び作り上げてみせたのだ」
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