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グライムスはゾラ・ジーザスからの「シリコンバレーにいる特権的なファシストを代弁している」とする批判に一連のツイートで返答している。

本名をクレア・ バウチャーというグライムスは先日、理論物理学者のショーン・M・キャロルによるポッドキャスト「ショーン・キャロルズ・マインドスケープ」に出演した際、「ライヴ・ミュージックは近いうちに時代遅れで様変わりすると思う」と発言して物議を醸すこととなっている。

グライムスの発言を受けてゾラ・ジーザスは「シリコンバレーにいる特権的なファシストを代弁している」と彼女を批判しているほか、元マジカル・クラウズのフロントマンで、グライムスと交際していたこともある元コラボレーターのデヴォン・ウェルシュは「シリコンバレーのファシストによるプロパガンダ」だと彼女の発言を批判している。

今回、グライムスはツイッターへの一連の投稿でゾラ・ジーザスからの批判に言及して、番組での自身の発言を弁明している。

グライムスによる一連のツイートはこちらから。

「1. ゾラ・ジーサスには同意するわ。これを女同士の闘いとは呼ばないようにしましょう。彼女はすごく興味深いポイントをついていると思う」

「2. テクノロジーは常に私たちが音楽を作ったり消費したりする方法を変化させてきたし、その流れがここで終わることはないわ。これからどこへ向かうのか、果たして何かポジティヴな結果がもたらされることはあるのかということよ。いい結果が起きることを想像し始めなければ、悪い結果を防ぐことはできないわ」

「3. テクノロジーは音楽を民主化してくれているの! 人々は音楽的な教育を受けずともパソコンを使って素晴らしい音楽を生み出しているわけでね。音楽を作る人たちが増えれば、世の中に芸術が増えて、最終的にポジティヴな結果がもたらされることになる。利用しやすい音楽的なテクノロジーによって主にもたらされた創造的な爆発の真っ只中に私たちはいるという意見には同意するわ」

「4. すべての芸術がいいものになるわけではないけど、芸術とはそういうものでしょ。重要なのは人々が実験しているということ」

「5. そして、それは音楽のパフォーマンとしての側面にも当てはまる。生身の人間のパフォーマーが私たちの体験できる最も感動できる体験であることに疑いはないわ(数千とはいかないまでも、私は数百ものライヴを訪れたことがあるわ)」

「6. だからといって、将来的に起きることを予測するための思考実験を行うべきではないということにはならないと思うの」

「7. ハッキリさせておくと、私は自分が運営しているビジネスに完全に支えられているわ。私の収入の大部分はツアーによるものだし、ツアーに出ないのはチャレンジだったわ」

「8. だけど、私は未来のことを考えるのが大好きだし、例えば、新しいテクノロジーによってツアーにかかる環境的なコストをいかに減らせるのかということなんかに興味があるわ」

「9. 繰り返し使ってしまったけど、『時代遅れ』という単語は攻撃的だったかもしれないわね。あなたからの返事を楽しみにしているわ、ゾラ・ジーザス」

ゾラ・ジーザスはその後、グライムスからの返答を受けて「シリコンバレーにいる特権的なファシスト」という言葉を用いた理由を説明する長文の声明をブログに投稿している。

同じ「ショーン・キャロルズ・マインドスケープ」でのインタヴューの中で、現在31歳のグライムスはAIの技術によって「人間の手による芸術の終焉」が訪れる可能性についても言及している。

「AGI(汎用人工知能)が台頭してきたら、私たちよりもはるかに素晴らしい芸術作品が作られるようになると思うわ。AIが科学や芸術を修得したらすぐにね。それは今後10年で起こることかもしれないし、20年から30年はかかることかもしれない」と彼女は語っている。

先日、グライムスは2020年2月21日にリリースされるニュー・アルバム『ミス・アンスロポシーン』からの新曲となる“So Heavy I Fell Through the Earth”の2つのバージョンの音源を公開している。

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