ザ・フーのピート・タウンゼントはかつての自身による残念な「ロックンロール」的行為について語っている。
ザ・フーのギタリスト/シンガーであるピート・タウンゼントはかつてステージで自身の楽器を破壊したりしてきたものの、そうした行為についてバンドの音楽を聴いてもらえるきっかけになったことは認めた上で、「時間の無駄だった」と考えていることを明かしている。
現在74歳のピート・タウンゼントは英『ビッグ・イシュー』誌に次のように語っている。「僕はずっと、ロックンロールに対してかなりスノッブだったんだよね」
ザ・フーのドラマーである故キース・ムーンがかつてホテルの部屋の窓からテレビを投げ捨てた有名な事件にも彼は言及している。「テレビが窓から投げられた時、僕はキース・ムーンを見てこう言ったんだ。『何て馬鹿なんだ。本当に時間の無駄だよ』とね」
「それから、同じようなことが2、3度あったんだけど、『何て馬鹿なんだ』と僕は思っていたよ」
ピート・タウンゼントはそうした行為が音楽ファンの注目を集めることに繋がったことを認めた上で、元アート・スクールの学生として「アートのためにやっていた」と語っている。
「自信の破壊行為に夢中になったのはアート・スクールを出てすぐのことだった。人々からはいまだに、楽器を破壊するべきじゃなかったなんてことを言われるんだけどさ」と彼は語り、次のように締めくくっている。「失せろという感じだよ。僕はそうやって自分の音楽を聴いてもらったんだ」
同じインタヴューの中でピート・タウンゼントは60年代の「ヒッピーの時代」についても言及して、自分たちの世代は社会を変化させるための「力を誤用してしまった」と語っている。
「僕らの世代は権利を剥奪されているように感じていたんだ」と彼は語っている。「複合語だけど、生きる目的がないように感じていたんだよ。僕らはそれによって怒りを感じるのではなく、無気力なほうへと向かってしまったんだ」
「僕らは無気力に生きていたんだ。より重要なものとしてサイケデリックな薬物やピルが登場するようになって、それにハマっていったんだ」
「それを経て、僕たちは力を得たわけだけどさ。ただ、僕らはそれを大いに誤用してしまったと思うんだ。ヒッピーの時代はよりよい時代になっていてもおかしくなかったはずだよ」
一方、ザ・フーはロック・オペラ『トミー』の新たなバージョンがオリジナル版の上演から25年以上を経て2021年にブロードウェイで上演されることが発表されている。
米『ローリング・ストーン』誌によれば、1993年から1995年に上演されたオリジナル版でも演出を務めた演出家のデ・マカナフが『トミー』の新バージョンでも再び指揮を執るという。プレスリリースの中で、デ・マカナフは新たな『トミー』について「今日のために再解釈」したものだと述べている。
先日、ザ・フーは13年ぶりとなるニュー・アルバム『WHO』を11月22日にリリースすることが発表されており、同作については「グレンフェル・タワーや音楽の窃盗、スピリチュアリティ、転生、記憶の持つ力、正気を失ったかつてのロックスター」などのテーマを扱った作品になっているとしている。
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