メタリカはフロントマンであるジェイムズ・ヘットフィールドがリハビリに専念するために、来月から予定されていたオーストラリア/ニュージーランド・ツアーを延期することが発表されている。
メタリカは現地時間9月27日にバンドの公式サイトとソーシャル・メディアを通じて次のように発表している。「とても残念なことに、オーストラリアやニュージーランドでのツアーの延期を余儀なくされてしまったことをファンや友人のみんなに伝えなければならないんだ」とメタリカのラーズ・ウルリッヒとカーク・ハメット、ロバート・トゥルージロは共同で発表した声明で述べている。
「君たちの多くも知っているかもしれないけど、俺たちの兄弟であるジェイムズはここ数年の間に、依存症の克服と再発を繰り返してきたんだ。残念ながら、ジェイムズはもう一度回復に向けて取り組むために、再び治療プログラムを受ける必要が出てきてしまったんだよ」
「健康状態とスケジュールが整い次第、一刻も早く君たちの住む地域を訪れたいと思っている。決定し次第、みんなにも知らせる予定だよ。改めて、多くの人たちに迷惑をかけてしまったことに心を痛めているよ。とりわけ、俺たちの公演を体験するために遠くから旅行してきてくれる忠実なファンのみんなに対しては特にね。みんなの理解や、ジェイムズを応援してくれる声に感謝しているよ。いつもメタリカ・ファミリーの一員でいてくれてありがとう」
メタリカは10月17日にオーストリアのパースからツアーをスタートさせ、11月2日にニュージーランドのオークランドで行う公演で最終日を迎える予定となっていた。
メタリカはオーストラリア/ニュージーランド・ツアーの全日程を延期することが発表されており、対象となる公演のチケットは全額返金されることも明らかになっている。
メタリカによる声明の全文はこちらから。
一方、2020年3月28日にサンフランシスコで予定されているメタリカの慈善コンサートは予定通り開催されるものとみられている。また、2020年4月からは南米ツアーも予定されている。
ジェイムズ・ヘットフィールドが抱えている依存症やアルコール依存の問題についてはバンドの2004年のドキュメンタリー『メタリカ:真実の瞬間』でも描かれており、同作ではジェイムズ・ヘットフィールドがリハビリ施設に入る経緯も描かれている。
ジェイムズ・ヘットフィールドは2017年にポッドキャスト「ザ・ジョー・ ローガン・エクスペリエンス」に出演して、当時、アルコールや薬を断って15年目を迎えたことを明かしていた。
「恐れこそが俺にとっての大きなモチベーションだったんだ」とジェイムズ・ヘットフィールドは語っている。「俺が最も恐れていたのは、家族を失うことだった。一番気分が塞がれたのはその時だね。ツアーでの振る舞いを家にも持ち込んで、家族が離れてしまうことを恐れていたんだ。妻に家を追い出されて、どこかで1人で過ごしたこともあった。そんなことは望んでいなかったのにさ。それは俺の出自とも関連していると言えるかもしれない。俺の家族は、俺がまだ小さい時に半ば分裂してしまったんだ。父親が去り、母親が亡くなって、俺は兄弟と生活しなければいけなかった。俺の大切なものはどこへ行った?という感じでね。それが流されてしまったような気がしていて、もうそんなことは起きてほしくないんだ。何が起きようと、俺たちはこうしたものについて言及し続けるつもりだし、それを機能させていくつもりだよ」
一方、メタリカは先日、彼らこそが「史上最大のツアー・バンド」であるとする新たな研究結果が発表されている。
メタリカは今年「ワールドワイアード」ツアーとして世界各国で公演を行っているほか、『S&M〜シンフォニー&メタリカ』の20周年を記念した公演をサンフランシスコで行っている。
この公演は『メタリカ&サンフランシスコ交響楽団:S&M²』として10月9日に日本で劇場公開されることも決定している。
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