インエクセスのマイケル・ハッチェンスの波乱に満ちた人生を追ったドキュメンタリー作品『ミスティファイ(原題)』で監督を務めるリチャード・ローウェンスタインはカイリー・ミノーグから渡された彼女の裸の写真を失くさないようにいかに慎重になっていたかについて語っている。
カイリー・ミノーグは今は亡きマイケル・ハッチェンスと1989年から1991年まで交際しており、来たるドキュメンタリー作品のためにリチャード・ローウェンスタインに自身のプライヴェートで撮影した映像を提供している。
リチャード・ローウェンスタインはドキュメンタリーにマイケル・ハッチェンスとの広範囲におよぶ映像を提供してくれたカイリー・ミノーグについて、自身を「とても信頼してくれ」た彼女から裸の写真を渡されていたことを明かしている。
「『正気かい?』っていうことを言ったよ。タブロイド紙が色めき立つと思ったからね。もしも間違った人たちの手に渡ったら、ひとたまりもないと思ったんだ」とリチャード・ローウェンスタインは『NME』に語っている。「その映像は飛行機で運んだんだけど、ブリーフケースに手錠を付けて自分の腕に繋いでおいたほうがいいんじゃないかって思ったよ。椅子の上に置いていってしまったらどうしよう? ってさ。彼女は僕をとても信頼してくれてね。素晴らしい人なんだ。彼女の存在や、彼女の信頼がなかったら、作品は違ったものになっていたんじゃないかな。感謝しきれないよ」
インエクセスの名曲である“Never Tear Us Apart”や“Need You Tonight”のミュージック・ビデオを手掛けたことで知られるリチャード・ローウェンスタインは続けて、ドキュメンタリー作品のために20年ぶりにカイリー・ミノーグに連絡を取った時のことについて次のように振り返っている。
「マイケルが生きていた頃に親しくしていて、よく一緒に過ごしていたんだ。南フランスにあるマイケルの別荘に一緒に行ったこともあるほどでね」とリチャード・ローウェンスタインは語っている。「20年くらい連絡を取っていなかったんだよ。それで、マネージメントを通じて正規のリクエストを送ることにしたんだ。彼女がフレンドリーであることを期待しながらも、用心しているかもしれないと思ってね」
「けど、カイリーはとても愛に溢れた人として知られていて、これまでもずっとそうだったわけでさ。暗いスタジオで10分に満たない音声インタヴューを収録している間に、カイリーも心を許してくれたみたいで、お互いを知ることができたし、初期段階のトレイラーを観てもらうこともできてね。正直で偽りのない視点から作品を作り上げようとしていることを理解してくれて、僕らを信頼してくれたんだ」
彼は次のように続けている。「彼女は正直に話してくれて、最近見つけたばかりだっていう映像も提供してくれたんだ。その半年後にもメルボルンで長時間のインタヴューに応じてくれて、4時間から5時間かけて、彼女自身の感情や過去の思い出について話してくれたんだ」
カイリー・ミノーグは『ミスティファイ』の中でマイケル・ハッチェンスとの「不運な交際」を振り返り、「ダークな不良少年」が「私に新しい世界の扉を開いてくれた」と語っている。
「セックスに愛、食べ物、薬物、音楽、旅行、本、彼はどんなことも経験したがったの」とカイリー・ミノーグは語っている。「彼のパートナーとして、私も同じくらいたくさんのことを経験することになった。官能的な人ってすべての感覚が刺激されたいと思うのよ。彼は間違いなく、私の世の中に対する欲望を目覚めさせたわ」
「彼の好奇心は留まるところを知らなくて、人生におけるあらゆる良いことはもちろんのこと、その中には悪いこともあった。彼は私に新しい世界の扉を開いてくれたわ。その多くは喜びに基づいたもので、それと向き合ってみるのよ」
『ミスティファイ』からは先日、最新のトレイラー映像が公開されている。本作ではカイリー・ミノーグとの交際のほか、1991年にコペンハーゲンでタクシー運転手から暴行を受けた一件についても触れられている。マイケル・ハッチェンスはこの事件で脳に損傷を負い、彼のその後のパーソナリティーにも変化が生じることとなっている。
『ミスティファイ』は現地時間10月4日にロンドン映画祭でプレミア上映された後で、10月18日から公開される予定となっている。
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