マイケル・ジャクソンについてのドキュメンタリー『リーヴィング・ネヴァーランド(原題)』を米国で放送しているHBOは番組の放送を取り止めたとする噂を否定している。
ダン・リードが監督を務めた『リーヴィング・ネヴァーランド』は、現在36歳のウェイド・ロブソンと41歳のジェームズ・セーフチャックが少年時代にマイケル・ジャクソンから受けていたとしている性的虐待に関する詳細な証言に焦点を当てている。2009年に亡くなったマイケル・ジャクソンは生前、自身に向けられていたあらゆる疑惑を否定していた。
『リーヴィング・ネヴァーランド』については今週、アメリカでの放送局であるHBOが2部構成のこのドキュメンタリーの放送を取り止めたのではないかと噂されていた。『リーヴィング・ネヴァーランド』については当初9月まで放送されることが発表されていたものの、HBOの公式サイトに掲載されている今後の放送予定では現状で4月17日の放送が最後となっている。
しかしながら、HBOは今回、放送を取り下げたとする一連の報道を否定している。
「『リーヴィング・ネヴァーランド』は4月16日まで放送していましたし、今後も『HBO NOW』や『HBO GO』で放送される予定です」とHBOは『コンプレックス』誌にコメントしている。「現時点までに750万人がパート1が視聴しており、過去10年間にHBOで2番目に多く観られたドキュメンタリーになっています」
『リーヴィング・ネヴァーランド』をめぐっては先日、マイケル・ジャクソンの自伝作家であるマイク・スモールクームがウェイド・ロブソンやジェームズ・セーフチャックの証言を反証できると主張していたものの、監督を務めたダン・リードは依然として告発者を擁護する姿勢を示している。
『メイキング・マイケル:インサイド・ザ・キャリア・オブ・マイケル(原題)』の著者として知られる、イギリス人ジャーナリストで作家のマイク・スモールクームは先日、『リーヴィング・ネヴァーランド』でのウェイド・ロブソンによる主張について、かつて彼の母親がそれに反する証言をしていたと指摘している。マイク・スモールクームはまた、ジェームズ・セーフチャックによる、マイケル・ジャクソンからネヴァーランドにある駅で虐待を受けていたとする主張の矛盾点も指摘している。
ジェームズ・セーフチャックはこのドキュメンタリーで、14歳になるまでの1988年から1992年の間にマイケル・ジャクソンから虐待を受けていたと主張しており、そのいくつかはマイケル・ジャクソンのカリフォルニアの敷地に造られた列車の駅で行われたとしている。
しかしながら、マイク・スモールクームは1993年の9月2日まで列車の駅は建てられなかった許可書を発見している。「セーフチャックの証言に欠けているのはこの部分です」とマイク・スモールクームは『ザ・ミラー』紙に語っている。「ネヴァーランドでの鉄道建設は1993年の後半になるまで始まっておらず、セーフチャックが16歳になる1994年の初めごろになってようやくオープンしたのです」
Here is, once again, the Santa Barbara County construction permit for Neverland’s one and only train station, approved in September 1993. pic.twitter.com/5CmfYaT3jN
— Mike Smallcombe (@mikesmallcombe1) April 9, 2019
『リーヴィング・ネヴァーランド』で監督を務めたダン・リードはツイッターでマイク・スモールクームの主張に反応を示し、鉄道を設立する許可書の日程に誤りがあったことを認めながらも、日程の信憑性よりも性的虐待を受けたとするジェームズ・セーフチャックの主張を信用していることを示している。
「確かに、どうやら駅の日程に関して(誤りであったこと)は間違いなさそうです」とダン・リードはツイートしている。「彼らは虐待が終わった日を間違えていたのです」
一方、かつてマイケル・ジャクソンのボディーガードを務めていた2人の人物による、ジェームズ・セーフチャックの証言を裏付けるような過去の発言も新たに見つかっている。
彼の元ボディーガードであるビル・ホワイトフィールドとジャヴォン・ビアードは、2014年に発表した共著『リメンバリング・ザ・タイム:プロテクティング・マイケル・ジャクソン・イン・ヒズ・ファイナル・デイズ(原題)』の中で次のように記している。「1990年にマイケル・ジャクソンは初めてネヴァーランドの門戸を公に開きました」
「ネヴァーランドの訪問客たちは入り口にある駅で蒸気機関車に乗り、メインの邸宅へと移動しました」
また、作家でジャーナリストのランドール・サリバンが2012年に発表した書籍『アンタッチャブル:ザ・ストレンジ・ライフ・アンド・トラジック・デス・オブ・マイケル・ジャクソン(原題)』にもジェームズ・セーフチャックの証言を裏付けるような言及があることも明らかになっている。
「1990年に公に向けてネヴァーランドが開放された際に招待されたリポーターたちの多くは、彼の邸宅の車道でまみえることになる、そびえ立つマーキュリー(古代ローマの利益や貿易、商業の神)の銅像を視察することから始めていた」と彼は述べている。
「その後は再び丘を登り、ウォルト・ディズニーがディズニー・ランドのためにデザインしたものよりも遥かに豪華な花時計のある、ディズニー・ランドのメイン・ストリート駅をほとんどそのままレプリカにしたような駅へと進んで行った」
ダイアナ・ロスは『リーヴィング・ネヴァーランド』の放送後にマイケル・ジャクソンを擁護した1人となっている。
ダイアナ・ロスは『リーヴィング・ネヴァーランド』が放送されたことを受けてマイケル・ジャクソンについて次のようにツイートしている。「これは今朝胸によぎったことよ。私はマイケル・ジャクソンがこれまでも、そして今も、私や多くの人たちにとっての絶大なる偉大な人物であることを信じてる」
ダイアナ・ロスはシュープリームス時代の1965年のヒット曲になぞらえて次のように締めくくっている。「愛の名のもとに、おしまいにして(“Stop In The Name Of Love”)」
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