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レディオヘッドはバンドのドラム・クルーを務めていたスコット・ジョンソンが亡くなった2012年のトロント公演でのステージ崩壊事故についての審問が始まったことが報じられている。

バンドのドラム・クルーを務めていたスコット・ジョンソンは2012年の6月にトロントのダウンズヴュー・パークで公演を行うための準備を進めていたなか、ステージが崩壊したことが原因で亡くなっている。ドンカスター出身の33歳だった彼はキーンを初めとした多くのツアー・アーティストと仕事をしてきていた。この事故では他に3人がケガをしている。

2013年、カナダのオンタリオ州の労働局は労働安全衛生法に違反した疑いで、ライヴ・ネイションと足場を組んだ「オプテックス・ステージング・アンド・サーヴィス」と技術士のドメニック・カリアリを起訴している。ライヴ・ネイションは訴訟の中で違法行為はしていないと否定している。数年にわたる延期を経て、裁判は2017年に「停止」されていた。

カナダのテレビ局「CTV」は今回、ステージ崩壊事故についての審問が新たに始まったことを報じている。審問は3週間にわたると見られており、スコット・ジョンソンが亡くなった当時の状況を明らかにするために25人の目撃者を対象に行われるという。陪審員は今後同じような事故を防ぐことにも繋がるとしている一方で、この審問で責任の所在を明らかにする予定はないという。

レディオヘッドは昨年、スコット・ジョンソンが亡くなった事故についての説明責任を果たすよう呼びかけている。

フロントマンのトム・ヨークは昨年の7月にステージ崩壊事故が起きて以来初となるトロント公演で観客に次のように呼びかけている。「僕らはトロントで公演をやりたいと思っていたんだけど、ステージが崩壊して、仲間であり友人の1人を失ったんだ」

「君たちの街では説明責任を負う人たちがその責任を果たしていないままでね。その沈黙っぷりといったら、ひどいものなんだ」

トム・ヨークの発言はドラマーであるフィル・セルウェイによる同じようなコメントを受けたものとなっている。「すごくもどかしいんだ。専門的な事柄で裁判は頓挫しているからね」と彼は語っている。「だから、真の答えが出ないままになっているんだ。その答えがなければ、あのような事故が再び起こることはないと僕たちは保証することができないんだよ」

オンタリオ州の裁判官であるアン・ネルソンは当時、裁判の「停止」について声明で次のように述べている。「告訴された人にとって早い処罰が重要とは限らないということを強調しておくのは大事なことです。また、社会全体にとって重要なことでもあります。間違いなく、ジョンソン氏の遺族にとってこの決定は理解しがたいものでしょう。けれど、処罰が下されないことに正当に申し立てることができます」

スコット・ジョンソンの父親であるケン・ジョンソンは2018年に発表した声明で次のように述べている。「彼らはスコットを生き返らせられるわけではありませんし、それはとても辛いことです。しかし、ハッキリさせなければなりません。人々は何が起きたのか知る必要があると思います」

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