モリッシーは来たるカヴァー・アルバムに参加しているアーティストたちが彼の政治観についてコメントしている。
モリッシーは先日、5月24日にリリースされる新たなカヴァー・アルバム『カリフォルニア・サン』の詳細を発表して、グリーン・デイのフロントマンであるビリー・ジョー・アームストロングやグリズリー・ベアのエド・ドロステ、ブロークン・ソーシャル・シーンのアリエル・エングルらが参加していることが明らかになっている。
今回、ブロークン・ソーシャル・シーンのヴォーカリストであるアリエル・エングルは『ザ・ガーディアン』紙によるインタヴューの中で、同紙が呼ぶところのモリッシーによる「過去10年間の右傾化」を知らなかったとして、モリッシーとコラボレーションした後に友人から送られてきたメールで初めて彼の政治観を知ったことを明かしている。
アリエル・エングルは『ザ・ガーディアン』紙に次のように語っている。「知らなかったというのは主張として弱いのかもしれないけど、それが私の意見よ。言い訳ではないけど、それが事実だから」
カナダ出身のアリエル・エングルは、アメリカ人プロデューサーのジョー・チッカレリから本作でジョニ・ミッチェルの“Don’t Interrupt the Sorrow”のカヴァーに参加するよう頼まれたとして、次のように明かしている。「私はこう思ったの。『あら、ザ・スミスね。もちろんよ』ってね」とアリエル・エングルは語り、次のように続けている。「2時間の仕事で、500ドルの報酬だったの」
アリエル・エングルはモリッシーの政治観には反対しているとして、次のように語っている。「彼が主張しているような扇動的な発言は、私の政治観とは異なるものよ。彼は完全に一線を超えてしまっていると思う。私は多文化主義の中で育ってきたし、多文化主義や移民政策の産物よ。私はずっとそう思っていたけど、今回のは私の責任ね」
モリッシーは昨年、物議を醸したインタヴューの中で人種差別主義やイスラム教の「ハラル認証(肉などの食品における、イスラム教の教えに即しているか否かについての基準)」とISISとの関連について語っている。また、モリッシーはヒトラーについて「左翼」だったと語っているほか、ロンドン市長のサディク・カーンについては「まともに喋ることができない」としている。また、モリッシーは中国の動物福祉に言及して、中国人について「亜種」だとも語っている。
グリズリー・ベアのエド・ドロステは『ザ・ガーディアン』紙へのコメントを拒否しているほか、ビリー・ジョー・アームストロングの代理人もまた、バンドが現在スタジオでの作業に専念しているとして同紙へのコメントを拒否している。一方、同じくカヴァー・アルバムに参加しているザ・リグレッツのリディア・ナイトの代理人は現時点でコメントを発表していない。
カヴァー・アルバムに参加している1人であるアメリカ出身のLPは広報担当を通じて次のようにコメントしている。「彼の音楽や詩の大ファンとして、アルバムへの参加を持ちかけられたことを名誉に感じています」
モリッシーが『カリフォルニア・サン』でコラボレーションしているのはすべて北米出身のミュージシャンとなっている。モリッシーのマネージャーを務める同じくアメリカ人のピーター・カトシスは『ザ・ガーディアン』紙に対し、アメリカのオーディエンスはモリッシーの政治観を完全には理解することができないのではないかと語っている。
「私はイギリスの政治にコメントできるほどの知識を有していませんし、UKのファンが考えているほど、私や海外のファンにとってはそれほど深刻なことではないと私は考えています。一連の騒動にはとても困惑しています。これらの問題はとても複雑で、様々な意見があると思います」とピーター・カトシスは述べている。
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