ノエル・ギャラガーの最新ツアーでフォトグラファーを務めているシャロン・レイサムは、彼の初の書籍にもその写真が収められることとなった彼のツアーに帯同し始めたきっかけについて、彼のマンチェスター・シティへの愛だったことを明かしている。
11月1日に刊行されたノエル・ギャラガー初となる書籍『エニー・ロード・ウィル・ゲット・アス・ゼアー(イフ・ウィー・ドント・ノウ・ホエア・ウィーアー・ゴーイング)(原題)』は、ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズとしての最近のワールド・ツアーの模様や、高い評価を得ることとなった彼の最新作『フー・ビルト・ザ・ムーン?』の制作過程について追ったものとなっており、元マンチェスター・シティのフォトグラファーであるシャロン・レイサムによって撮影された写真や、ノエル・ギャラガーを初め、マイク・ロウやクリス・シャーロック、ラッセル・プリチャード、ゲム・アーチャー、ジェシカ・グリーンフィールド、シャルロット・マリオンヌ、YSEÉらによる発言が収められている。
「ノエルと(元マンチェスター・シティの選手である)カルロス・テベスの写真撮影をしたことがあったんだけど、それが初めて彼に会った時ね」とシャロン・レイサムは『NME』に語っている。「確か2009年か2010年だったと思う。そこから私たちの道が交わっていくことになったの。ノエルは試合を観に来て、ボックス席にいたり、『シティTV』のために何かをやっていたりしたから、何度も会っているうちに私たちはすぐに友人になったの」
「私たちは2人とも乾いたユーモアのセンスがあって、それで意気投合したのよ。私が彼と同じように北部出身で、マンチェスター・シティのサポーターだっていうことを彼が分かってくれたのよ。マンチェスター・シティのイベントがあると、私がそれに行くのかっていうことを訊いてきたりしてね。2人ともサッカーに目がなかったから、そうやって繋がっていったの」
ノエル・ギャラガーのツアーに帯同することになった経緯についてシャロン・レイサムは次のように語っている。「(マンチェスター・シティの監督に就任して)ペップ(・グアルディオラ)が初めてやったインタヴューがノエルとのインタヴューで、私にとってはそれがシティを去る前にやった最後の写真撮影だったの。その時に試しにいくつかの公演に連れていってもらえないかを訊いてみたら、『いいよ、シャズ(シャロンの愛称)。問題ないよ』って言ってくれてね。2016年に彼が出演するたくさんのフェスティバルに参加させてもらって、その頃からバックステージやライヴ写真を撮影するようになったわけ」
「2018年のツアーが始まる時に、彼に『いくつかの公演で写真を撮ってもいい?』ってメッセージを送ったら、『ああ、アメリカに来なよ』に言ってくれてね。最初は2週間だけいるつもりだったんだけど、最終的には1年間も一緒にいることになったわ」
ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズとのツアー生活の魅力は何かと訊かれると、シャロン・レイサムは著名人たちに出会えることだとした上で、バンドの「家族みたいな雰囲気」が「すごく気に入っている」と語っている。
「ロサンゼルス公演でバックステージに行った時に(俳優の)ブラッドリー・クーパーと会ったんだけど、それがハイライトね」とシャロン・レイサムは語っている。「土曜日の夜にそんなことが起きるなんて普通はないでしょ。その晩はメタリカのラーズ(・ウルリッヒ)もいて、とても現実とは思えなかったわ。ツアーを通して漂っている仲間意識もすごく気に入っているわ」
「ありきたりに聞こえるかもしれないけど、本当に家族みたいな雰囲気でね。すごく素敵な人たちの集まりよ。すごく笑いがあるの」
シャロン・レイサムは続けて、ツアー中に知ったノエル・ギャラガーの一面について言及して、彼が世間のイメージほど攻撃的な性格ではないことに気がついたと明かしている。
「ノエルと仕事をして、彼についてはたくさんのことを知っていたけど、一緒にツアーに出てからは、彼が見た目以上に幸せそうだっていうことに気づくことになったわ」と彼女は語っている。「ノエルはすごく気難しいクレーマーのように見えるかもしれないけど、本を読んでもらえれば、幸せそうに笑っているたくさんの写真を見てもらえるはずよ。それも自然な姿を撮った写真をね。ずっと彼を見てきたけど、ノエルこそが一番幸せで穏やかな人だって思うわ」
「自分のペースで、自分の好きなように仕事をしているからノエルは幸せなのよ。彼のウィットや乾いたユーモアのセンスに敵う人はいない。すごく鋭いの。きっとみんな『彼はナイフの鞘で眠ってでもいたの?』って思うはずよ」
彼女はお気に入りのノエル・ギャラガーの写真についてトイレで撮った彼の写真がお気に入りだと語っている。
「ツアー中に撮ったお気に入りの写真の一枚は、ウォーミングアップ中のノエルの写真。彼は毎晩ウォーミングアップをしていて、それ用の部屋まで用意しているんだけど、テキサス州のヒューストンで撮った一枚だけ、トイレの中でウォーミングアップをしている写真があるの。ノエルはロックの神様だし、愛を何百万人にも届けているけど、それでもトイレでウォーミングアップしないといけない時があるっていうね。すごく面白い写真だと思っているわ」
「通りすがりにそれを見た時に、ノエルから『もしかして写真を撮ったのか』って訊かれたの。『もしかするとね』って私は答えたんだけどね」
シャロン・レイサムによれば、バンドでハサミなどを担当しているシャルロット・マリオンヌの様々な写真を撮ることも楽しみの一つだという。
「彼女の写真もたくさん撮っているわ」とシャロン・レイサムは笑っている。「シャルロットは毎晩少しずつ変わっていくの。ハサミを違った持ち方で持っていたり、前とは違うケープを羽織っていたりっていう具合にね。1枚足りとも同じハサミの写真はないわ。あの完璧なハサミの写真を完成させるのは、すごく労力がいるわね」
ノエル・ギャラガーは先日、2枚のニュー・アルバムに取り掛かる可能性を示唆しているほか、『NME』とのインタヴューで新作について「ポリスとザ・キュアーが一緒にバンドを組んだようなもの」になると語っている。また、彼は現在取り組んでいる新作の進捗状況に言及して、アルバムのサウンドは「70年代のディスコ風」であり、来年のリリースを目指していることを明かしている。
また、ノエル・ギャラガーは先日、ハイ・フライング・バーズとのツアーをオアシス時代を引き合いに出して語っているほか、弟のリアム・ギャラガーはプリティーグリーンで稼いでいるのでオアシスを再結成する必要などないはずだと疑問を呈している。
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