フー・ファイターズのフロントマンで、元ニルヴァーナのドラマーであるデイヴ・グロールはグランジが全盛期だった1990年代の音楽シーンに言及して、マリリン・マンソンのようなアーティストの登場がグランジの衰退に繋がったと語っている。
デイヴ・グロールは米ラジオ局「ALT 98.7」とのインタヴューの中で、1980年代半ばから1990年代後半にかけての音楽トレンドの移り変わりについて語っており、その中で自身もその一部だったシアトルのグランジ・シーンの隆盛やその衰退に言及している。
「80年代は、あらゆる巨大なバンドがいた時代だよな」とデイヴ・グロールはモトリー・クルーらが活躍していた当時を振り返っている。「グラマラスで、髪型もクレイジーで、リムジンに乗って、(バーレスク・ショウが開催されているラスベガスの)クレイジー・ガールズでミュージック・ビデオを撮って、ハーレーに乗ってっていうさ……自由にやってたっていう感じだよね」
続けてグランジの勃興に言及して、彼は次のように語っている。「ロック・ミュージックを演奏したいと思っているバンドはたくさんいたわけだけど、そういう(80年代的な)ものとは全然違ったんだよね。むしろ、俺たちはガレージで演奏しながら、曲を書いていた単なる薄汚れたキッズという感じだったからね。パンク・ロック的なものから生まれたものなんだよ。それが突然とてつもなくデカいものになって、しばらくそれが続いて、その後は『参ったな。ロックスターが必要だよ』って思われ始めたっていうさ」
デイヴ・グロールは続けて、マリリン・マンソンの登場はショック・ロックやグラマラスな、「ファックの神」といった衝撃性が「パンクのDIY精神」へのアンチテーゼとなったことを証明しているとし、ロックの潮流が大きく変わることとなったとしているほか、ロックのお株だった富や快楽主義への渇望はヒップホップに取って代わられることになったと語っている。
「そしたらマリリン・マンソンがビッグになって、みんなが『おお、クールだな。やっと見た目にもファンタスティックなものが現れた』って思うようになったっていうね。本当に衝撃だったし、強烈だったよ」
「イメージも音楽もそうだし、『すげえクールだ!』ってみんながなったんだよね。それから、80年代のロックンロールにあったグラマラスな要素はヒップホップ・シーンがそのお株を奪うことになったんだ。こうやって奇妙にも循環していくものなんだよ。最終的にはそういう道を選ばないヒップホップ・アーティストも出てくるだろうし、グラマラスな道を辿るロック・バンドも出てくるわけだけどね」
「物事はこうやって循環していくんだ」
ニルヴァーナは先日、デイヴ・グロールがバンドに参加する以前の1989年に行われた未公開だったインタヴューが公開されているほか、ベーシストのクリス・ノヴォゼリックはゲスト・ヴォーカリストを迎えてニルヴァーナの楽曲を演奏する可能性を示唆している。
フー・ファイターズは現在、次のアルバムに取り掛かる前の「休息期間」に入っているほか、マリリン・マンソンは先日新たなマーチャンダイズとして自身の顔が先端にデザインされたディルドを発売して話題になっている。
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