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レディオヘッドのトム・ヨークは現在の保守党政権についてイギリス国民を「レミングに崖を飛び降りさせる」ように扱っていると語っている。

トム・ヨークはホラー映画『サスペリア』のリメイク版に提供したサウンドトラックのプロモーションとして行った新たなインタヴューのなかで、この発言をしている。レミングは餌を確保するために一定の周期で崖から落ちて集団自殺をすると言われている。

BBC 6ミュージックに出演したトム・ヨークは、このスコアを書いている間に政治的な影響がのしかかってきたかと訊かれて、次のように答えている。「ああ、オリジナル版の舞台が(公開された)1977年だとしても、すべてがなお今に通じているんだ。あの時期を参照し、あの時期の楽器を使うことを常に選んだとしても、今の立場から曲を書いているんだよ」

トム・ヨークは現地時間10月2日に先日公開された新曲“Has Ended”の歌詞をツイートしており、そこには次のような一節が含まれている。「And the water it forgave us/And the fascists felt ashamed/At their dancing puppet king/Saying we won’t make this mistake again(水、それが私たちを許してくれる/そして、ファシストは恥を知るも/踊らされている人形の王様に/私たちは2度と過ちを繰り返さないと語る)」

この歌詞をツイートした理由について彼は次のように語っている。「今週、保守党大会を観ていたんだけど、『無知って強靭だな』と思ったんだ。『いや、いや、そんなことは起きない。我々は一緒に強くなるんだ。全員にとっての好機なんだ!』とか言ってるけどさ。今、ゾッとするのはそれだね。僕は冗談かと思ったけどさ。冗談なんかやめてほしいわけでね」

レディオヘッドが2017年にグラストンベリーのヘッドライナーを務めた際の自身の発言を振り返り、トム・ヨークは次のように語っている。「グラストンベリーで『ドアを閉めて出ていけ、テリーザ』とかって言ったのを覚えているよ。みんなそう思ってただろうし、まだそんな感じだよね。それだけじゃなくて、やつらはみんなをレミングに崖を飛び降りさせるみたいに扱っているだろ。『みんなついてきて、行くよ』ってね。無知って強靭なんだよ。(ジョージ・)オーウェルの小説の中で、あらゆることが問題ないって言われるみたいにさ。自分が見ている世界を表現するために共に育ってきた言葉を剥ぎ取られて、不条理劇へと変えられるんだ。問題ない。大丈夫。問題ないってね」

「ルワンダのようなことが明日起きても、何も起きないんだろうね。何も関係ないのさ。それにゾットするんだよ。テリーザ・メイのスピーチの最中に後ろの文字が落ちるかとか、ボリス・ジョンソンが自転車に乗って顔から落ちるかどうかとかそういうことじゃなくてね。そんなの大局的なことじゃないわけでさ。大局的な問題というのは、どうでもいいというふうに見えることなんだ」

特にイギリスのEU離脱に言及して、彼は次のように続けている。「もしEUが気を変えて、承認できないと言っても、そしてアイルランドの人々が承認できないと言っても、政府はこのまま『共にありましょう、私たちは人民の声であり、何が起きているのかすべてを把握しています、人民の意志なのです』なんて言うんだよ。彼ら自身が自分の党をまとめられないっていうのにね。まだ誰もしていないわけでさ。なぜ僕らは通りに出ていかないんだろう」

トム・ヨークは新曲“Has Ended”を現地時間10月3日に公開している。これはルカ・グァダニーノが監督を務める『サスペリア』リメイク版のサウンドトラックに収録されている。

このサウンドトラックはトム・ヨークにとって初めての長編作品のサウンドトラックであるが、トム・ヨークは映画『ファイト・クラブ』のスコアを手掛けそうになっていたことを明かしている。トム・ヨークは脚本が送られてきてサウンドトラックの依頼を受けたが、『OKコンピューター』の制作後で燃え尽きていたため断ることになったという。

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