ロジャー・ウォーターズは、ボン・ジョヴィがイスラエルでコンサートを予定していることを批判している。
元ピンク・フロイドのベーシストであるロジャー・ウォーターズは、ボン・ジョヴィが10月3日夜に行われるライヴの開催地にテル・アビブを選んだことを非難している。またフロントマンのジョン・ボン・ジョヴィとバンド・メンバーたちがイスラエルと「肩を並べて」立っていることを批判し、『サロン』紙に掲載された公開書簡の中では、イスラエル政府の指揮下にによって苦しめられてきたパレスチナ人の犠牲者たちを例に挙げている。
「過去に私は音楽業界の仲間たちに、イスラエルでライヴをすることでイスラエル政府のアパルトヘイト(人種隔離政策)を助長するようなことはしないようにと、事細かで時には説き伏せるような手紙を書くこともしょっちゅうだったんだ」とロジャー・ウォーターズは綴っている。
「先週『イディオト・アハロノト』紙に掲載されたジョンのコメントを読んだが、俺は南アフリカのアパルトヘイトについて道徳的な立場から考えてどうかなんてことに、無駄な時間を割きたくない。数十年間に及ぶイスラエルによるパレスチナ人の弾圧という現状を目の前にして、多くのアーティストを含む何千もの人々が味方についてるんだ」
ボン・ジョヴィは今週、『イディオト・アハロノト』紙のインタヴューで次のように語っている。「イスラエルがどれほど素晴らしい国か、いつも耳にしている。あらゆる宗教の発祥の地でもあるからね。いろんな国に行ったことがあるけど、イスラエルにもいつも行ってみたいと思っていたのに、それが叶うことはなかったんだ。今回は絶対にイスラエルを候補地に加えたいと主張して、その意見が通ったんだよ」
今年2月には、ロジャー・ウォーターズはピンク・フロイドのアルバム『狂気』でエンジニアを務めたアラン・パーソンズを、イスラエルでアラン・パーソンズ・プロジェクトのコンサートを企画したとして非難している。
ロジャー・ウォーターズがボン・ジョヴィに向けて書いた手紙の全文は、以下の通り。
親愛なるジョン・ボン・ジョヴィ、デヴィッド・ブライアン、ティコ・トーレスへ
過去に私は音楽業界の仲間たちに、イスラエルでライヴをすることによってイスラエル政府のアパルトヘイト(人種隔離政策)を助長するようなことはしないようにと、事細かで時には説き伏せるような手紙を書くこともしょっちゅうだったんだ。
先週『イディオト・アハロノト』紙に掲載されたジョンのコメントを呼んだが、南アフリカのアパルトヘイトについて道徳的な立場から考えてどうかなんてことに無駄な時間を割きたくはない。数十年間に及ぶイスラエルによるパレスチナ人の弾圧という現状を目の前にして、多くのアーティストを含む何千もの人々が味方についてるんだ。
賽(さい)は投げられた。君たちは10月3日にテル・アビブでライヴをすることが決まっているのだから。この際、立場を明確にしてくれ。
君たちがライヴで肩を並べるのはこんなやつらだ。
赤子を燃やしたテロリスト
レイチェル・コリーをひき殺したブルドーザー運転手
サッカー選手の足を射ち砕いた兵士
浜辺にいた男の子たちを砲撃した船員
緑のシャツを着た子供を殺したスナイパー
13歳の女の子に、ライフル銃の弾をすべて射ち放った男
集団殺害を命じた法務大臣
君にだってできたはずだ
正義の立場に立つことがね
難民キャンプに爆弾を投下するのを拒んだパイロット
兵役よりも8度目の刑期を選んだ若者
自由を得られるまで266日間、絶食した受刑者
人々の命を救うはずが、入国を禁じられた医者
分離壁に向かって行進し、迫害された農民
がれきの中で育った足の無い子供
そして550人の今後の成長を断たれた人々
その原因は私たち(アメリカ)が作ったミサイル、そして砲弾や銃弾だ
死んでしまった人々に、君たちが今まで見ぬふりをしてきた罪を思い出させてやることはできない。しかし「声を上げずに側に立って無関心でいることは、最大の罪である」ということを我々は忘れてはいけないんだ。
ロジャー・ウォーターズ
※公開後、翻訳を修正しました。
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