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カニエ・ウェストは自身の物議を醸した奴隷制度に関する発言についてツイッターで釈明している。

カニエ・ウェストは現地時間5月1日に行われた「TMZ」による生放送でのインタヴューの中で、脂肪吸引手術を受けた後に鎮痛剤のオピオイドに依存していたことを明かしたほか、奴隷制について言及した発言が物議を醸している。

「俺は黒人で、黒人コミュニティの一員だけど、俺はそれだけじゃない」とカニエ・ウェストは語っている。「俺はこれからもそれを代弁していくけど、世界も代弁するんだ」

「奴隷制度が400年も続いたっていうのを聞くとさ、400年だぜ? それって選択だったようにも聞こえるよね」とカニエ・ウェストは続けている。「俺たちは精神的に投獄されているんだよ」

その後、TMZでレポーターを務めるヴァン・レイサンはカニエ・ウェストの主張に対して次のように反論している。「あなたが音楽を作り、アーティストとなり、天才がゆえに築けた生活を送っている間に、この社会の残りの人々は生命を脅かすような脅威に対処しなければならないのです。私たちは400年続いた奴隷制度に起因する社会的疎外に対処しなければなりませんが、あなたはそれを選択だったと言うのですね」

ヴァン・レイサンは続けている。「率直に、失望しました。呆れています。あなたがリアルではなくなってしまったことに信じられないほど、傷ついています」

カニエ・ウェストはその後、自身のコメントを釈明する一連のツイートを投稿している。「未解決の痛みについてオープンに議論する必要がある。俺の意図をハッキリさせるためにね。当然、奴隷たちは拘束されていなくて、自由意志で船に乗り込んだことは分かっているんだ」

「要するに、黒人が数的優位の立場にあったのに奴隷でい続けたというのは、精神的に奴隷にされていたということなんだ」とカニエ・ウェストはツイートして、世間からのバッシングを浴びる自分自身を、奴隷同士の対立を煽ることによる黒人奴隷の支配方法についてスピーチを行ったとされる、18世紀の奴隷所有者ウィリー・リンチになぞらえている(しかしながら、実際にはそのようなスピーチはなされていないと指摘する歴史家も多い)。

カニエ・ウェストは続けている。「奴らはお互いにコミュニケーションを取れないように黒人たちの舌を切り落としたんだ。俺は舌を切り落とされるつもりはないよ。カニエ対メディアの構図は現代版のウィリー・リンチ方式なんだ。奴らは残りの者たちに恐怖を植え付けるために最も強いものを首吊りにするんだ。もう奴らに声を閉ざされることはない」

カニエ・ウェストはさらに、自身を奴隷解放運動家のハリエット・タブマンや奴隷反乱を主導したナット・ターナーになぞらえ、続けて次のようにツイートしている。「俺たちは常に人種問題について議論して反発するようにプログラムされているんだ。議論をアップデートする必要があるよ」

「400年という事実を持ち出したのも、また新たに400年も精神的に投獄されるわけにはいかないからなんだ。俺たちには今、自由な思想が必要なんだよ。あの発言だって自由思想の1つの例だよ。単なる考えに過ぎなかったんだ」

「新しい考えを提示したっていう理由でまた攻撃されているんだ」とカニエ・ウェストはその後ツイートしている。「未来的な考えを教えてくれるような高校の授業なんて聞いたこともないわけでね」

カニエ・ウェストによる一連のツイートはこちらから。

一連の騒動の前には、カニエ・ウェストとラジオ司会者のシャーラメイン・ザ・ゴッドによる1時間45分に及ぶインタヴューも公開されている。

カニエ・ウェストはこのところ頻繁にツイッターを更新しており、ドナルド・トランプ大統領を讃えているほか、トランプ大統領のスローガンである「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン」と書かれた帽子を被った写真を投稿するなどして、物議を醸している。

カニエ・ウェストは先日、“Ye vs. the People”と“Lift Yourself”という2曲の新曲をリークしており、カニエ・ウェストは自身のアルバムを6月1日にリリースするとしている。

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