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ハーツのフロントマンであるセオ・ハッチクラフトは、最新作『デザイア~衝動~』に収録されているシングル“Beautiful Ones”について語り、これは、2017年という「ますます保守主義的で圧政的になる時代」に対抗する鬨(とき)の声だとしている。

マンチェスター出身のシンセ・ポップ・デュオであるハーツは今年9月に通算4作目となる『デザイア~衝動~』をリリースしており、来年1月に日本盤がリリースされることも決定している。同作からのリード・シングルとなった“Beautiful Ones”のミュージック・ビデオはセオ・ハッチクラフト自身が脚本を手がけ、共同監督も手掛けている。このビデオは、狭い路地で血まみれのセオ・ハッチクラフトが何者かを車で轢いてしまうところから始まる。そして時系列で遡っていく中で、ナイトクラブで女性として着飾っていた彼がなぜ追い回され、襲われることになったのかを知ることになる。ジェンダー・フルイディティ(ジェンダーの流動性)に光を当てたこのビデオは、「憎しみ、愛、残虐さ、美しさ、複雑な人間関係、思いやりなどのテーマ」を扱っている。

「この曲を書いて、ビデオを制作しながら、社会の分断について個人的に省みるところがあったんだ」とセオ・ハッチクラフトは『NME』に語っている。「ますます保守主義的で圧政的になっていく時代に僕たちは生きているって感じる。そしてそれは僕の住みたいと思う世界ではないんだ。多くの人が同じように感じているわけで、だから、人々に音楽を届けることが重要だと思っているんだ。音楽は逃げ道を与えるのに良い方法だと僕はいつも確信しているし、人気の物語に束縛されるべきではないとも感じるからね」

彼はさらに次のように続けている。「折に触れて僕たちはアウトサイダーだっていう風に感じるんだけど、それだけじゃなくて、僕たちは最初から授賞式なんかのショウに行ってもどこに行っても厄介者みたいな存在だったんだ。僕たちが出会うファンのみんな、僕らが出会ってきた人たち、僕らの友人、みんなもそういう存在だった。彼らに会えば、その内面にそうしたものがあるのを分かってもらえると思う。でも、もしかしたら、彼らはちょっとシャイだったり自分らしくいるのを少し恐れているのかもしれない。だからこう思うんだ。重要なのは祝福されることなんだってね。彼らは世界を変えるし、重要な存在だ。だから単に信じるかどうかの問題なんだ。そうだろ?」

このビデオのインスピレーションについてセオ・ハッチクラフトは次のように明らかにしている。「僕たちは前から、曲がビジュアルとマリアージュする『瞬間』を作るという考え方が気に入っていてね。個性がどれほど重要であるかを示す最もパワフルなやり方は、自分らしくあるために絶対に必要な体験を明らかにすることだと思ったんだ。多くの人が自由というものを当然の権利と考えているわけだけど、人々を押さえつけようとする侵略者や迫害者の存在のせいで、僕たちが自分らしくいられない世界で生きることになるなんて悲惨なことだよ」

「みんながこのビデオを見てポジティブさを持ち帰ってくれることを僕は願っている。一度倒されたら起き上がらないって人はたくさんいる。多くの人が自分は強さを持ち合わせていないと感じているためにね。このビデオでは、みんなが多大な影響力を持った力強い存在であるってことを伝えているんだ。最終的には誰もが自分らしくいれるような安全な環境の中において愛とポジティヴさに人々が包まれて、どうなりたいかっていうビジョンを持てるようになってほしいんだよね」

このビデオに対する世間からの反応について聞かれると、特にリベラル寄りの若い世代からの柔軟な評価に「心を動かされ、感動した」とセオ・ハッチクラフトは語っている。

「若い世代であればあるほど、彼らは本当に多くの人々と相互につながっていて、違う生き方や多様な人々、異なる考え方にたくさん触れるようになるから、どんどん社会主義的で社交的になっていく。若い世代は本当に好意的な解釈で反応してくれているように思うんだ。僕たちがあれを作った時には、どんな反応が返ってくるのかを想像するのは難しいことだった。でも、特に僕たちの若いファンの間では、多くの支持があったんだ。過去に遡れば、そんな簡単には受け入れられないっていうような時代もあったよね。多くの人が存在や出来事を知りたくなかったり、頭ごなしに否定しようとするみたいなことに直面したりしてね。みんなの心に語りかけ、共鳴しているように感じるのは嬉しことだよ。だって、それこそが僕が本当に大切にしていることだからね。大きな意味があるよ」

女性のドレスを着るというセオ・ハッチクラフト自身の経験についてはどうだったのだろうか?

「初めてのことだったけど、。一回その衣装を着てみたら、どんなに心地よい気分になれるかってことにみんな驚くはずだよ。そしてこれまで、どれだけ多くのことを女性から学んできたかってことにもね」と、彼は『NME』に語っている。「でも、素晴らしい経験だったよ。本当に楽しかったし、勉強になった。僕はずっとドラァグクイーンのことを大いに尊敬していて、魅力的で、とてもパワフルで、本当にかなりパンクで反逆的だと思っていたんだ。人前でそういう姿になって、偏見の目を正面から浴びせられることが、どれほど勇気と根性が必要なのかってことだけでもね。本当に魅力的で素晴らしいと思うよ。そういうことや、20センチもあるハイヒールを履くことに関して、とても満足した気分を味わったよ」

ハーツは、2018年1月に来日公演を行うことが決定している。

来日公演の詳細は以下の通り。

HURTS Desire Tour Live in Japan 2018
2018年1月29日(月) マイナビBLITZ赤坂(旧名称:赤坂BLITZ)
開場 18:00 / 開演19:00
1Fスタンディング ¥6,500 / 2F指定席: ¥8,000 (税込・別途1Drink代)
※1Fスタンディング: 未就学児入場不可 / 2F指定席: 4歳以上チケット必要

更なる公演の詳細は以下のサイトで御確認ください。

http://www.livenation.co.jp/

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