米FOXニュースのレポーターであるジェラルド・リヴェラは、ケンドリック・ラマーの新作『ダム』の収録曲“YAH.”で批判されたことを受け、自身の見解を示している。
先日、ニュー・アルバム『ダム』をリリースしたケンドリック・ラマーは、収録曲“YAH.”で、2015年のBETアウォーズでの彼のパフォーマンスに対するジェラルド・リヴェラのコメントへの批判を展開している。ケンドリック・ラマーは2015年のBETアウォーズで、パトカーの上に乗りながらのパフォーマンスを披露している。
ケンドリック・ラマーによる2015年のBETアウォーズでのパフォーマンスはこちらから。
ジェラルド・リヴェラは当時、このパフォーマンスの直後に以下のようにコメントしている。こういうことがあるから、私は近年ではヒップホップが人種差別よりも若いアフリカ系アメリカ人に悪影響を与えていると言っているのです」
ジェラルド・リヴェラのコメントに対して、ケンドリック・ラマーは“YAH.”で以下のようにラップしている。「Fox News wanna use my name for percentage.……Somebody tell Geraldo this nigga got ambition.(FOXニュースは視聴率稼ぎに俺の名前を使いたいらしい……誰かジェラルドにこのニガーには大志があるんだって教えてやってくれ)」
ジェラルド・リヴェラは、ケンドリック・ラマーの批判を受けてフェイスブックに動画を投稿しており、ケンドリック・ラマーを含めたヒップホップに対する自身の見解を表明している。公開された動画内でジェラルド・リヴェラは“YAH.”の歌詞について「彼に悪意はない」と語った上で、マイノリティの若者と警察官の間に「対立するメンタリティ」を生み出す歌詞を繰り返しラップすることについて、「最悪のロールモデルにして最悪な一例」であると批判している。
ジェラルド・リヴェラが公開した動画はこちらから。
ジェラルド・リヴェラは続けて、ラッパーや活動家に対して人種差別を全廃しようとするよりも人種差別を回避したほうがいいと語っている。
さらに、ジェラルド・リヴェラは「ブラック・ライヴス・マターの運動が核となる現実的問題を避けている」と語り、また、黒人コミュニティーで生じた問題こそが様々な原因となっていると語っている。「警官による暴力は現実的な問題だとは思うよ」とジェラルド・リヴェラは明言している。「ただ、もう一度改めて強調すると、そんなのはゲットー内で加速する内乱に比べたら微々たるものなんだよ」
ジェラルド・リヴェラはまた、自身にプエルトリコ系とユダヤ系の血統が入っていることから、同僚よりも「ストリートをよく知っている」と語り、次のように述べている。「私以上に暴力を見た人間はいないだろうね。一流のレポーターですら、私以上にゲットー内での暴力や都市での暴力沙汰を目撃したことはないはずだよ。私はアヴェニューC(ニューヨーク市マンハッタンのプエルトリコ系アメリカ人の多く住む通り)出身なんだ。この手のことはよく知っているよ」
ジェラルド・リヴェラは続けてマーヴィン・ゲイの“What’s Going On?”を歌い上げ、ラップ・ミュージックで見たいのはこの曲のようなポジティヴなメッセージだと語っている。
ジェラルド・リヴェラはまた、サウス・シカゴで生活している15歳の若者はどんな慣習的な人種差別よりも、それ以上にケンドリック・ラマーの歌詞に傷つけられていると主張している。
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