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8月17日に、今年で23周年を迎えたものがあるーーそう! この日はニルヴァーナを世界に知らしめることとなった“Smells Like Teen Spirit”のビデオクリップがドロップされた日だ。この曲の登場によって、バンドのフロントマンであるカート・コバーン、ベーシストのクリス・ノヴォゼリック、そして、ドラマーのデイヴ・グロールが世に送り出され、時代はオルタナティヴ・ロックへと一気にシフトした。このビデオの知られざる10の裏話について見てみよう。

1. 前例のないプレミア放送

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MTVの番組制作部に入社したばかりの新人スタッフ、エイミー・フィナティーは、当ビデオをプレミア放送するべきだと主張した。「今までに前例のないことだったの。私の知る限りではMTVでは、実績のないバンドにワールドプレミアを行ったことがなかったわ」この彼女の賭けが成功だったことは、今となっては異論の余地はないはずだ。


2. バンド自ら出演者を求めてフライヤーを配布

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撮影の2日前、ニルヴァーナは自らファンにフライヤーを配ってビデオ出演を呼びかけており、また一方でロサンゼルスのラジオ局、KXLUでもエキストラの出演を呼びかけていた。フライヤーには「ニルヴァーナは君たちを必要としている、18歳~25歳でプレッピー、パンク、オタク、体育会系などの高校生役希望」と記載されていた。


3. 撮影時間は12時間

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フライヤーには「ファン/エキストラは数時間以上の拘束時間が予定される」との記載があったが、誰もこの注意書きを気に留めてはいなかった。ディレクターのサミュエル・ベイヤーは、多くのキッズが30分以上いたがらず、最終的に12時間かかったことについて相当イライラを募らせていたと明かしている。


4. カートの提案でセットを破壊

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撮影の終わりに、カート・コバーンはエキストラたちにセットを壊すように提案した。サミュエル・ベイヤーもこれに同意して、セットは最終的にメチャメチャに破壊されることになった。サミュエル・ベイヤーは、これは予定外のことだったが、おかげでこのビデオが必見ものになったと説明した。「カメラのファインダーを通して見ながら、これだよ!パンッ!って感じさ、最高だったね。キッズたちは、劇団から呼ばれたわけじゃないんだ。このビデオに収められた反乱は、まぎれもなく本物なんだよ」


5. カートはストレスが功を奏することに

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カート・コバーンもこのエキストラのキッズたちと同様に、長時間の撮影にストレスを募らせていた。しかし、サミュエル・ベイヤーは、このストレスが彼のパフォーマンスをより強烈なものにしたと確信している。3度目を演奏し終えたあとにもう一度演奏を頼むと、彼はカメラの前で張り裂けんばかりに絶叫した。「彼はここにいることに最高にイライラしていた」とサミュエル・ベイヤーは語っている。「でも、そのおかげで素晴らしいパフォーマンスになったんだ」


6. 監督が仕事を受けた理由は「飢え死にしそう」

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サミュエル・ベイヤーは当時、ニルヴァーナを知らなかったが、「飢え死にしそう」で、すぐにでも仕事が必要だった。そんな時、ニルヴァーナのレコード・レーベルであったデヴィッド・ゲフィン・カンパニーから“Smells Like Teen Spirit”を手がけてみないかと打診され、そのチャンスに飛びついくことになった。この時、レーベルはレコードが「数十万枚売れれば良い方だ」と考えていたが、天文学的な売り上げを記録したのは言うまでもない。


7. カートは最後まであのセットが気に入らなかった

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カート・コバーンはセットを気に入っていなかった。彼は事前に希望のセッティングをスケッチしてサミュエル・ベイヤーに渡しておいたが、彼が現場に到着すると、セットは希望通りになっていなかった。「人が座ってアスピリンかなんかを売ろうとしているCMみたいだ、分かるだろ?」と、カート・コバーンは1993年にMTVで語っている。「俺にはそんな風に見えたんだ。現代的過ぎるようにね」


8. 納得がいかずカート自身が編集

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カート・コバーンは、ディレクターズ・カット版も気に入らなかったため、個人的に再編集版を監督し、これが最終的に我々が今も目にできる最終版となった。カート・コバーンは、いかれたかかしのように見える、彼自身のクローズアップ・ショットを最後の方にいくつか追加した。さらに最終版をその前の編集版と比較してみると、不機嫌そうな主要キャラクターが登場しなくなっている。


9. 1979年作品の2つの映画からの影響

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ラモーンズをフィーチャーした映画『ロックンロール・ハイスクール』(1979年にB級映画の巨匠ロジャー・コーマンがプロデュースした)と同様に、このビデオは、同じく1979年に公開された映画『レベルポイント』に影響を受けている。「10代の反乱を描く真のストーリー」というキャッチフレーズとともに、若きマット・ディロンをスターにしたこの映画は、高校(最終的には生徒たちが破壊してしまう)の中での彼らの苦悩を描いている。


10. 2つの世代にニルヴァーナを伝えたメディア

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元ニルヴァーナのドラマーで、現在はフー・ファイターズのフロントマンであるデイヴ・グロールは、2002年に『ケラング!』誌に次のように語っている。「大人はラジオで曲を聞いて『これはすごい』と思った。でも今度はキッズたちがMTVでこのビデオを観て『クールだな。こいつらはなんだかメチャクチャで、クソみたいな高校をぶっ壊してる』と思ったんだ。俺はこれがこのビデオが成功した大きな要因だと思ってる」

ニルヴァーナの“Smells Like A Teen Spirit”のミュージック・ビデオはこちらから。

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