ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのメンバーとの活動で知られる実験的なフィルムメーカーにして作曲家のトニー・コンラッドが亡くなった。享年76歳だった。
ボルチモア出身でハーヴァード大学を卒業したトニー・コンラッドは、1960年の構造映画のムーヴメントで主要なはたらきをしたことやドローン・ミュージックの先駆者として讃えられている。ドローン・ミュージックのミニマリストのスタイルは大きな影響を与え、同じく1960年代に端を発するものとなっている。
ドイツのクラウトロック・バンドであるファウストのコラボレーションによる1973年作品『アウトサイド・ザ・ドリーム・シンジケート』はミニマリストの傑作として長く考えられてきた。
トニー・コンラッドはシアター・オブ・エターナル・ミュージックのメンバーで、同グループはのちにザ・ドリーム・シンジケートとして知られ、1960年代にアヴァンギャルドなドローン・ミュージックのグループとして活動しており、メンバーにはザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのジョン・ケイルも含まれている。トニー・コンラッドはジョン・ケイルと1960年代にわずかな活動期間だったザ・プリミティヴスでも活動を共にしており、同バンドのフロントマンはルー・リードが務めている。
ジョン・ケイルとルー・リードはザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを結成することになるが、このバンド名はトニー・コンラッドが見せた本に由来している。
トニー・コンラッドが1966年に公開した映画『ザ・フリッカー』も構造映画の傑作として認められており、彼の作品はパリのルーヴル美術館やニューヨークのホイットニー美術館といった名だたる国際的美術館で展示されている。2011年にはアニマル・コレクティヴがキュレーションを行ったオール・トゥモローズ・パーティーズに出演している。
トニー・コンラッドは4月9日に前立腺ガンとの闘病のなか肺炎で亡くなったと「バッファロー・ニュース」は報じている。
トニー・コンラッドのキャリアを引退を讃えるイベントが5月2日に、トニー・コンラッドが1976年より教鞭をとっていたバッファロー大学で予定されている。
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