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ドナルド・トランプ大統領はNPRやPBSといった「バイアスのかかったメディア」への連邦政府による資金提供を停止しようとした大統領令が判事によって差し止められている。
昨年5月、ドナルド・トランプ大統領はNPRやPBSに資金を提供しているアメリカ公共放送社を対象として「連邦政府資金提供を停止する」大統領令に署名している。
この大統領令は「少なくともアメリカ国民には、税金で公共放送に資金を提供するのであれば、公正で正確、偏りがなく、無党派の報道のみに資金を提供することを求める権利がある」としていた。
今回、ランドルフ・モス連邦地方判事はこの大統領令は報道機関の編集方針を標的にしたものであり、「違法かつ執行不能」であると述べている。
裁判所はこの大統領令が米国憲法修正第1条に違反していると判断しており、修正第1条は「このような見解に基づく差別や報復を容認しない」としている。
「政府の行動が大統領が好まない見解を標的にして、抑圧しようとしているものであることを示す、これ以上明確な証拠というものは考えがたいと言えます」とランドルフ・モス連邦地方判事は述べている。「憲法修正第1条は政府が他者の『好ましくない表現を罰したり抑圧したりするために』財政権を含む政府権力を行使することを禁じており、政府はこの一線を越えてはなりません」
ランドルフ・モス連邦地方判事は政府はメディア組織に資金を提供する義務はないものの、いったん資金提供制度が確立された場合、それは中立的な方法で運営されなければならないとも述べている。
しかし、今回の判事の判決は適用範囲が限定的なものとなっている。大統領令を差し止めることはできるものの、既に他の手段で撤回された資金を回復させることはできず、議会はアメリカ公共放送社への11億ドル(約1760億円)の資金提供を取り消している。
「大統領令を違憲とする今日の判決に大変喜んでいます」とPBSは声明で述べている。「我々が主張し、ランドルフ・モス判事が判決を下したように、この大統領令は長年にわたる憲法修正第1条の原則に反する、典型的な憲法に反する見解に基づく差別と報復行為です。PBSはこれまでと同様に、全米で最も信頼されるメディア機関として、すべてのアメリカ人を教育して、インスピレーションを与えていくという使命を果たし続けます」
昨年11月、裁判所の和解によりNPRは約3,600万ドル(約57億6000万円)の政府資金を受け取ることになり、NPRとアメリカ公共放送社間の紛争は部分的に解決していた。
これまでNPRは資金の約1%を連邦政府から直接受け取っていたが、1,300の加盟局は平均して8~10%をアメリカ公共放送社を通じて受け取っていた。
一方、PBSとそのすべての系列局は、収入の約15%をCPBに依存しており、メディア関係者は、連邦予算の削減が地方の放送局や商業放送局のサービスが行き届いていない地域に不均衡な影響を与えるだろうと警告している。
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