ミック・ジャガーやマイケル・ジャクソンら、エプスタイン文書の一部公開で写真が公開

Photo: GETTY

アメリカ司法省は死亡した小児性愛者の投資家であるジェフリー・エプスタインに関連する文書の第一弾を公開している。

ジェフリー・エプスタインは2019年7月に性的人身売買の容疑で逮捕され、同年8月に拘置所内で死亡しているのが発見されている。当局は後に、彼が首を吊って亡くなったと断じている。死後、すべての文書と写真の完全な公開、そして彼が関わっていた著名人の名を明かすことが強く求められていた。

公開された資料には写真、動画、捜査文書が含まれており、議会が12月19日までにすべての文書を公開することを義務付ける法律を可決したことを受けて公開されている。公開されたのは英国時間の同日21時過ぎで、エプスタイン文書透明性法の可決によって定められた法的期限のわずか数時間前となっていた。

司法省が期限までにすべての文書を公開できないと表明したことを受け、あらゆる政治的立場の評論家が司法省を法的義務違反だと非難している。

共和党と民主党は共に大量の黒塗りによって文書が不明確になっている多くの編集に抗議しており、上院少数党院内総務のチャック・シューマーは「大量の黒塗りのページを単に公開するだけでは透明性の精神と法の文言に反する」と述べている。ファイルの公開を義務付けた法案の共同執筆者である民主党議員のロー・カンナもBBCニュースによれば「編集が多すぎる不完全な公開だった」と語っている。

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ファイルを閲覧できる司法省のウェブサイトには「議会の期限を考慮して、被害者やその他の個人に関する個人情報を確認し、黒塗りし、機密資料の漏洩を防ぐために、あらゆる合理的な努力が払われています」と記されている。

写真も日付が記載されておらず、文脈なしで公開されている。写真には元アメリカ大統領のビル・クリントンやミュージシャンのミック・ジャガー、マイケル・ジャクソンの写真も含まれている。ファイル内に名前や写真が掲載されていることが不正行為の証拠となるわけではなく、ジェフリー・エプスタインに関連していると特定された人物でも複数の人物が不正行為を否定している。

ジェフリー・エプスタインはエンタテインメント界、政治界、経済界に繋がりを持っていたことで知られ、マイケル・ジャクソン、ミック・ジャガー、ダイアナ・ロスいったアーティストと並んで写っている写真の背景や、写真に写っている人物との関わりの程度は明らかになっていない。ミック・ジャガー、ダイアナ・ロス、マイケル・ジャクソンの遺産管理団体はまだ写真についてコメントを発表していない。

ある写真はマイケル・ジャクソンがビル・クリントンとダイアナ・ロスと一緒に写っているもので、その他の人物の顔は黒塗りされている。別の写真ではザ・ローリング・ストーンズのミック・ジャガーとビル・クリントンが写っており、女性の顔は黒塗りされている。

ビル・クリントンはジェフリー・エプスタインの性犯罪行為について知らなかったと否定しており、スポークスパーソンは現地時間12月19日に写真は数十年前のものだと述べている。「これはビル・クリントンに関するものではありません。これまでも、これからもです」とスポークスパーソンは述べている。

俳優のクリス・タッカーが写っている写真も公開されており、その内の1枚はダイニング・テーブルでビル・クリントンの隣に座っているものとなっている。もう1枚は有罪判決を受けたギレーヌ・マックスウェルと飛行機の駐機場で写っているものとなっている。

ギレーヌ・マックスウェルは2021年12月に性的人身売買の罪で有罪判決を受けており、ジェフリー・エプスタインのために未成年の少女を調達した罪でも有罪判決を受けている。ギレーヌ・マックスウェルは2022年6月に禁固20年の判決を受けたが、一貫して無罪を主張している。

ジェフリー・エプスタインによる性的虐待の被害者たちはファイルの公開に対する失望を表明している。ヘイリー・ロブソンは『インディペンデント』紙に次のように語っている。「この件についてドナルド・トランプ大統領がどんな戦術を使うのが好きかは分かっていました。これまでに直面してきたあらゆる障害と政権の二転三転を考えると、私たちが本来受け取るべきファイルを目にすることはできないだろうと分かっていました」