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レディオヘッドのフロントマンであるトム・ヨークは新型コロナウイルスによるパンデミックの後、創作活動に戻ることについて「いまだに苦労している」と語っている。

トム・ヨークは新たなインタヴューで創作活動について語り、長年にわたってアートへのアプローチがどのように変化してきたかを語っている。

このインタヴューはオックスフォードのアシュモレアン博物館で開幕した展覧会「ディス・イズ・ホワット・ユー・ゲット」に際して行われている。展覧会はトム・ヨークと長年のコラボレーターであるスタンリー・ドンウッドが手掛けたアートワークを展示するものとなっている。

トム・ヨークは『アート・ニュースペーパー』紙に対してロックダウン中に絵画制作への新たな流れを見つけ、規制解除後に元の状態に適応することに苦労したと語っている。

「突然、スタジオに邪魔されることなく、これらの作品に1週間まとまって取り組めることになったんだ」とトム・ヨークは振り返っている。「それは目から鱗が落ちるような体験で、深い癒しになった」

「パンデミックが終わった時、多くのクリエイティヴ界の人々がもう一度明滅し始めた光に戸惑うことになった」

「そのことにについてはいまだに苦労しているんだ。みんなは不安が募ったからと言うけど、それだけじゃないと思う。あの時間は本当に大切だった。そして、何にせよ戻るのは苦労しているよ」

トム・ヨークはスタジオでの絵画制作に多くの時間を費やすことにしたと語っている。「それが優先事項なんだ。というのも、僕らは二人ともいろいろ動き回っていたからね。創作に取り組む場所がなかったんだ」

トム・ヨークはインタヴューで80年代後半にアート・スクールを卒業した後、自分のことをヴィジュアル・アーティストと呼ぶことに「抵抗があった」として、『キッド A』のリリース期にそうした界隈に戻ることに戸惑いがあったとも述べている。

「ものすごく怖かった」とトム・ヨークは語り、スタンリー・ドンウッドがアルテックスを使い始め、パレットナイフでキャンバスに塗って、凹凸を作り始めたことにも触れている。

「絵を描くために絵を描いていたわけじゃない」とトム・ヨークは続けている。「絵を描くことでテクスチャーを作って、それをスキャンしていた。というのも、ダイナミックな動きをスキャンして写真に撮るほうが面白いということは分かっていたんだ」

この頃はスタンリー・ドンウッドが絵画を制作して、トム・ヨークがデジタル・イメージとして加工を行っていたという。

コレクションではレディオヘッドとスタンリー・ドンウッドの30年に及ぶコラボレーションが私的なアーカイヴを通して慎重に展示され、双方のクリエイティヴ・プロセスを垣間見ることができる。

展覧会ではアルバム・ジャケットになるオリジナルの絵画、未発表のドローイング、スケッチブックに書かれた歌詞、デジタルの創作物、エッチングなど、180点以上の作品が展示される。

今年3月、レディオヘッドについては今年の秋にツアーをするのではないかという噂が浮上していた。一方、トム・ヨークはファンがレディオヘッドの復帰を望もうが気にしないと語っている。「それは知らないし、まったく気にもかけていないんだよね」

2022年、スタンリー・ドンウッドはトム・ヨークやレディオヘッドの音楽と精神的に結びついている自身の作品について尋ねられると、次のように答えている。「分からないよ。音楽についてはまったく知らないしね。手助けにはなってくれているのかもしれないけどさ。このサウンドは好き、とか、このサウンドは好きじゃない、とか、それが僕の音楽的素養の限界なんだ」

「長い間、トムと僕は共に歩むこともあれば、離れることもあった。しばらく同じものに取り組んだ後に交代で作品に取り組むんだ。大抵は僕が優勢になって、それを引き継いで、僕の作品にすることになった。というのも、彼はミュージシャンとしての能力ほど、アーティストとしての能力を信じていなかったからね。それは事実だった。彼は古い音楽に造詣が深いんだ」

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