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ザ・フーのフロントマンであるロジャー・ダルトリーはザック・スターキーがバンドからの離脱について語った発言が「人格攻撃」だと批判している。
ザック・スターキーは様々な報道が飛び交う混乱を経て、5月にバンドを離脱することが発表されており、ピート・タウンゼントは「変化の時が来た」と述べている。
リンゴ・スターの息子であるザック・スターキーは1996年からザ・フーのドラマーを務めてきたが、今年のティーンエイジ・キャンサー・トラストのために行ったロイヤル・アルバート・ホール公演でバンドとの確執が生まれたと見られている。
今年6月、ザック・スターキーは『NME』に次のように語っている。「ロジャー・ダルトリーは公の場での謝罪と私が二つのビートを飛ばしたことを認めるように要求した。それで、私はそうしたが、マントラ・オブ・ザ・コスモスでのミュージック・ビデオにおける私のキャラクターであるアヒルがドラムを叩く形でやってみた。ピート・タウンゼントから電話をもらって、『アヒルのキャラクターはなしにしてくれ』と言われたから、アヒルなしでそうしたら、ライヴに復帰できたんだけど、10日後にはもう一度辞めさせられることになった。ロジャー・ダルトリーがあんなことがあったから、もう一緒にできないと言ったんだ」
今年4月の時点でピート・タウンゼントは「個人的なことやプライベートなことでコミュニケーションの問題があって、それに対処する必要があったんだけど、幸いにも解決した」と述べていた。ピート・タウンゼントはロイヤル・アルバート・ホールでの公演で彼とロジャー・ダルトリーがザック・スターキーに「オーケストラではないラインアップに対応できるように、その進化したドラミング・スタイルを簡潔にしてもらうように」伝えたとして、「彼も快諾してくれた」とも述べている。
しかし、バンドからの離脱が決まったザック・スターキーはロジャー・ダルトリーがバンドからの解雇ではなく、引退だったと主張していることについて「まったくのデタラメだ」と反論している。
今回、ロジャー・ダルトリーは『ザ・タイムズ』紙のインタヴューでこの件について言及している。「人格攻撃みたいなもので、ものすごく動揺したよ」
ロイヤル・アルバート・ホールで何があったかについてロジャー・ダルトリーは次のように説明している。「向こう側の人物に操作されていたんだけど、ドラム・サウンドのサブウーファーが強すぎて、ピッチが取れなかったんだ」
「私はバスドラを指さして、ザック・スターキーに叫ぶことになった。というのも、地平線も見えない飛行機を操縦しているようだったからだ。なので、ザック・スターキーは私が彼に文句を言ったと思ったが、そうではなかった。それだけだよ。ピート・タウンゼントと私はザ・フーである権利を持っている。他のみんなはセッション・プレイヤーなんだ」
ザック・スターキーは『NME』のインタヴューで次のようにも語っていた。「ピート・タウンゼントは『仕事を取り返すために闘う強さはあるか?』と言ってきた。『自分のためにそうしなきゃいけないんだとしたら無理だね』と言ったよ。ザ・フーのためじゃなかったら、ドラムは叩いていなかっただろう。元々はギタリストだったんだ。そうしたら、ピート・タウンゼントは『よし、じゃあ仕事を取り戻してくれ』と言ったんだよ」
「今もロジャー・ダルトリーとは毎週電話で話をするよ。ピート・タウンゼントともずっとメールをしている」とザック・スターキーは続けている。「数週間前にもロジャー・ダルトリーとは話をして、『必要になっても、まだドラム・キットを倉庫から出さないでくれ』と言われたんだ。何が起こっているんだと思う? それが今の現状だよ」
ザック・スターキーの離脱を受けて、ザ・フーははロジャー・ダルトリーのソロ・バンドに参加しているスコット・ディヴァーズが新しいドラマーになることを発表している。スコット・ディヴァーズはザック・スターキーの離脱についてファンが「がっかりしている」のは理解できるとしながら、「その責任の重さは巨大なもの」だと述べている。
ザ・フーは先日、今年北米で行われるフェアウェル・ツアーの詳細が発表されている。16公演に及ぶツアーは8月16日にフロリダのアメラント・バック・アリーナで開催される公演から始まり、9月28日にラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで開催される公演で締めくくられる。
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