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ナップスターはサービス停止から20年以上を経て2億700万ドル(約310億円)で買収されている。
1999年に創業したナップスターはP2P技術を用いたファイル共有プラットフォームで、海賊版ソフトウェアのトレンドを生み出し、ライムワイヤーやパイレートEベイなどがそれに続くこととなっている。
1999年、ナップスターは著作物の違法配布をめぐって全米レコード協会から訴訟を起こされており、2000年にはメタリカからも訴訟を起こされている。2002年、ナップスターは破産を申請しており、裁判所の指示に従ってサービスを停止している。2011年、ナップスターはラプソディに買収されており、有料ストリーミング・サービスとして再スタートしており、2016年にはラプソディからナップスターに名称変更されていた。
ナップスターのストリーミング・サービスは現在もサービスを継続しており、34ヶ国で1億1000万曲以上のライセンス楽曲を利用可能となっているが、アップル・ミュージック、スポティファイ、アマゾン・ミュージック、タイダル、YouTubeなどのストリーミング・プラットフォームには対抗できていない。
今回、初代のサービス停止から20年以上を経て、ナップスターは没入型テクノロジー企業であるインフィニット・リアリティに2億700万ドルで買収されている。
『ヴァラエティ』誌の報道によれば、買収契約は現地時間3月25日に締結されたとのことで、インフィニット・リアリティはナップスターをまったく新しい体験として再始動させる計画を策定している。インフィニット・リアリティは、ナップスターを音楽ストリーミング・サービスとして再出発させるだけでなく、「受動的なリスニングよりもファンとの能動的な関わりを優先するソーシャル・ミュージック・プラットフォーム」として生まれ変わらせ、アーティストが「ファンと繋がり、その関係を所有して収益化できる」ものにするという。
ナップスターの変更点にはファンがコンサートに参加するためのヴァーチャル3D空間の実装が計画されており、ミュージシャンやレーベルはデジタルおよびフィジカルの商品を販売することができるようになるとされている。
インフィニット・リアリティの共同創業者であるCEOのジョン・アカントは次のように述べている。「ナップスターの買収によってアーティスト、ファン、そして音楽業界全体にとって、より明るい未来への道を切り拓くことになります。この戦略的な動きはインターネット業界をフラットな2Dのクリックによるウェブから3Dの対話的なものにしていくインフィニット・リアリティのヴィジョンに沿ったもので、すべてのクリエイターにより良いエンゲージメント、収益化、オーディエンス測定のための最新ツールを提供していきます」
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