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Photo: GETTY
ザ・1975は2023年にマレーシアのグッド・ヴァイブス・フェスティバルが被った損失について個人的に責任を問われることはないとロンドンの判事が裁定を下している。
この裁定はザ・1975とフェスティバルの主催者であるフューチャー・サウンド・アジアとの間で行われていた審問で下されることとなっている。先日、マレーシア高等裁判所でザ・1975の弁護士は個人が責任を負うべきではないと主張していた。
AP通信によれば、ロンドンの判事であるウィリアム・ハンセンは今回、ザ・1975のメンバーがステージ上でキスをしたことで中止となったフェスティバルの損失についてメンバー個人も責任を問われるべきだというフューチャー・サウンド・アジアの主張について「法律問題としては適切ではなく、裁判にかけられるべき正当な理由はない」と述べている。
ウィリアム・ハンセン判事はザ・1975の企業体であるザ・1975プロダクションズLLPとフューチャー・サウンド・アジアの間で法廷を進めることは認めているが、法廷費用としてフューチャー・サウンド・アジアに10万ポンド(約1900万円)を支払うように命じている。
2024年夏、フェスティバルの主催者であるフューチャー・サウンド・アジアは240万ドル(約3.6億円)を求める訴訟を起こしている。フューチャー・サウンド・アジアはザ・1975プロダクションズLLPによる契約違反と4人のメンバーによる注意義務違反があったと主張している。
先日、ザ・1975の弁護士であるエドモンド・カレンはフューチャー・サウンド・アジアがザ・1975の企業体と契約したにもかかわらず、メンバー個人に責任を負わせるのは「極めて異様」だとして、「個人に責任を押し付けようとする」「法律にそぐわない、見え透いた、支離滅裂な試み」と述べていた。
一方、フューチャー・サウンド・アジアの弁護士であるアンドリュー・バーンズはメンバーが「マレーシア当局に挑戦して、挑発するような行動を意図的に行った」として、その結果フェスティバルは「多額の損失」を被ったと述べていた。
訴訟の発端となった事件は2023年にマレーシアで開催されたグッド・ヴァイブス・フェスティバルで起きたもので、フロントマンのマット・ヒーリーとベーシストのロス・マクドナルドはステージ上でキスをすることとなっている。マレーシアでは同性愛は犯罪であり、最高で20年の刑が処される可能性がある。
クアラルンプールのパフォーマンスでマット・ヒーリーは同性愛者の権利に強硬な姿勢を取るマレーシア政府も批判している。「ザ・1975を呼んでおきながら、セックスする相手について決められる国なんて訳が分からないよ」とマット・ヒーリーは語っている。「信心深く、政府を支持していて、気分を害するのなら申し訳ないけれど、君たちの政府はバカの集まりだ。気にしていられないよ。強制するなら、反発してやる」
こうした振る舞いのためにザ・1975のライヴは早く切り上げられることとなっており、フェスティバルの残りの日程は中止となっている。ザ・1975はマレーシアでのライヴも禁じられている。ザ・1975はフェスティバルが中止になったことで地元マレーシアのアーティストや関連業者から集団訴訟も起こされている。加えて、マレーシアのLGBTQ+コミュニティからは地元の活動家による長年の取り組みを損なう「パフォーマンス的なもの」だという批判も寄せられている。
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