今年を終える準備はできているだろうか? 2024年の終わりをどのように迎えようとしているとしても、このランキングにはあなたの気分に合うアルバムがあるはずだ。厳しい冬をあたかかく終えたい? ザ・キュアーやニューダッドといったゴシックもあれば、エイドリアン・レンカー、ムスタファ、アルージ・アフタブによる親密な音楽もある。死ぬほどパーティーをやることにした? それであれば、ニーキャップ、レマ、そして、言うまでもなくチャーリーXCXに手を出すべきだろう。闘いなしに1年を終えたくない人にはスプリンツやノックド・ルースもある。
このランキングから何を選んだとしても、きっと素晴らしいものになる。NMEが選んだアルバム・オブ・ザ・イヤー2024をお送りする。
50位 ビーバドゥービー『ディス・イズ・ハウ・トゥモロー・ムーヴス』
ビーバドゥービーのサード・アルバムは美しい作品になった。音楽を通して大人になること、女性になることの歩みを引き続き記録した作品にはジャジーなフォークの“Real Man”やスラッカー・ロックの“Beaches”などに彩られた輝かしいインディ・ロックが収録されている。それもすべてはビーバドゥービーの卓越したリリシズムとストーリーテリングによって支えられている。
49位 ブリング・ミー・ザ・ホライズン『ポスト・ヒューマン:ネックス・ジェン』
何度もの延期とジョーダン・フィッシュの脱退はあったものの、4年に及ぶ予告を経て『ポスト・ヒューマン:ネックス・ジェン』は届けられることとなった。それはブリング・ミー・ザ・ホライズンの世界的ロック・バンドというステータスを再確認させつつ、息つく暇もなくジャンルを織り交ぜ、そのなかでハイパーポップ・メタルやフューチャー・エモといった新しいものを発明してみせた。彼らはまだまだ現在のメタル・ミュージックで新たな地平を拓き続けている。
48位 ミーガン・ザ・スタリオン『ミーガン』
ミーガン・ザ・スタリオンは『ミーガン』でカリスマ的とも言えるウイットと痛烈な毒を開陳している。象徴的な蛇のモチーフの下、そこではラップ界のゲームにおける女性蔑視への批判から、話題を呼ぶことになったアニメへの賛辞までが展開されている。本作はヒューストン出身のミーガン・ザ・スタリオンにとってこれまでで最も衝撃的で、まとまりのある作品となっている。
47位 ワンダーホース『ミダス』
ワンダーホースは『ミダス』を世に出したことで、イギリスの次なる偉大なギター・アクトの噂が駆け巡ることになった。ライヴ会場での汗の滴りを捉えた本作において“Silver”は至福かつ生々しく、“July”はカート・コバーンでさえ認めるだろう。理屈抜きで衝動的な本作はキッズにとってたまらない作品となった。
46位 アイドルズ『TANGK』
アイドルズによる通算5作目となるアルバム『TANGK』にはラヴ・ソングや抑制の効いた風変わりな小曲が詰め込まれているが、サウンドやヴォーカル面ではこれまでと同様に感情を露わにしている。ブリストル出身の彼らはLCDサウンドシステムの助けを借りながら、ダンスフロアにも似合うバンドとなった。その見事な姿を見てほしい。
45位 ニューダッド『マドラ』
ザ・キュアーはゴシックな冬に大傑作を届けて2024年を締めくくったかもしれないが、蜘蛛の巣の張った、ひび割れた食器の並んだテーブルに、まばゆく儚い陰影のあるドリームポップとおぼろなシューゲイザーの疼きを持ち込んだのがニューダッドだった。『マドラ』はアイルランド語で犬を意味するが、それはまさに純血種だった。
44位 タイラー・ザ・クリエイター『クロマコピア』
タイラー・ザ・クリエイターとは常に現在進行系である。『クロマコピア』で彼は昔の自分を追放してみせた。「君が知っていたTのヴァージョンは思い出に過ぎない」とタイラー・ザ・クリエイターは“Tomorrow”でラップしている。エゴの死と向き合う彼の姿を見るのは新鮮だが、楽しいことが大好きで、屈託のないタイラー・ザ・クリエイターは健在で、これまでで最も包括的な作品となっている。
43位 ケリー・リー・オーウェンス『ドリームステイト』
ウェールズ出身のエレクトロニックの魔術師による通算4作目となるアルバムはまさにタイトル通りの作品だ。テクノ、トランス、アシッド・ハウスを軽快に乗りこなしながら、ダンスフロアの甘い逃避行の瞬間に満ちたクラブ・ポップの大作となっている。彼女が「高く、より高く、昇っていく」と歌う時、私たちは抗うことなどできない。
42位 サブリナ・カーペンター『ショート・アンド・スウィート』
2024年、新たなポップ・プリンセスが戴冠することとなった。途轍もなくキャッチーで、逃れることなど不可能な“Espresso”で夏とチャートを支配してみせたサブリナ・カーペンターはシャープで小粋な通算6作目となるアルバム『ショート・アンド・スウィート』でその地位を確固たるものとした。バンガーにバラード、カントリーに全面的なポップ・ソングというウィットに富んだ組み合わせで彼女は勝利を収めてみせた。
41位 テムズ『ボーン・イン・ザ・ウインド』
『ボーン・イン・ザ・ウインド』でテムズは自らの羽を広げてみせた。世界制覇を果たしたウィズキッドとのコラボレーション曲“Essence”を挙げるまでもなく、パワフルだけれど小ぶりな2枚のEPを経て、本名をテミラデ・オペニーイという彼女は6月に待望のデビュー・アルバムをやっとリリースした。懐が深く、説得力に溢れた本作はテムズの多面性をすべて披露しようとする野心的な試みであり、彼女が偉大な存在になるために生まれてきたことの証明でもある。
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