デヴィッド・ボウイは以前、デイヴ・グロールからの、映画用の音楽の仕事の誘いを、次のようなシンプルな一言で断ったことがあるという。「正直に言うけど、これは趣味に合わない」
米『プレイボーイ』誌の撮影による新しい映像では、デイヴ・グロールがパット・スメアと共に、デヴィッド・ボウイのロサンゼルスでのお気に入りの場所を車で回っている。2人は亡きデヴィッド・ボウイへの敬愛を語り、そのなかでパット・スメアは自身がカート・コバーンに“The Man Who Sold The World”をカヴァーするように説得したことを明らかにしている。
2人はデヴィッド・ボウイが「牛乳、コショウ……そしてコカイン」によって生き永らえていたと言われている時期に住んでいた、ドヒニー・ドライヴの家を訪れている。また、華やかなクラブとして知られたロドニー・ビンゲンハイマーズ・イングリッシュ・ディスコやレインボー・ルームにも立ち寄っている。
映像ではそれ以外に、パット・スメアが自身のもう一つのバンドであるジャームスについて語る場面もあり、バンドがデヴィッド・ボウイに付きまとった末、彼が吸った煙草を手に入れるに至った経緯を明かしている。
しかし、デイヴ・グロールはデヴィッド・ボウイにさらに近づき、一緒に仕事をしようともしたという。残念ながら、コールドプレイやレッド・ホット・チリ・ペッパーズと同様、デヴィッド・ボウイには断られている。
「俺たちはマディソン・スクウェア・ガーデンで行われた彼の50歳のバースデイ・パーティーでパフォーマンスしたんだけど、それが彼と会った最後だったんだ、ということは1997年かな?」とデイヴ・グロールは語っている。
デイヴ・グロールはまた、次のように続けている。「2年前、ある映画用の歌の話を持ち掛けられたんだ、だから『それなら自分以外の誰かに歌ってもらおう。俺が作曲して、別のヴォーカリストを立てることにしよう』と考えてね。それで『そうだ、デヴィッド(・ボウイ)がこの仕事をやりたいか聞いてみよう』と思ったんだ。すると、次の日にメールが届いて、こう書いてあった、『デイヴ(・グロール)、映画を観たよ。正直に言うけど、これは趣味に合わない』。それから彼は『自分は今の時代向きではないしね』と書いてあったよ」
デイヴ・グロールとデヴィッド・ボウイのやり取りは続き、デイヴ・グロールはオファーを検討してくれたことについてデヴィッド・ボウイに感謝を伝えている。それに対する返信で、デヴィッド・ボウイは次のように書いてきたという。「いいんだ、じゃあこの件はカタがついたってことだな、どっか行け」。デイヴ・グロールは、デヴィッド・ボウイが冗談で言ったのか、本当にそれを意味していたのか、はっきりしないと語っている。
デイヴ・グロールゆかりの地を巡る映像はこちらから。
先日、ベックはデイヴ・グロールを始めとしたニルヴァーナの現存メンバーと協力して、2月15日のグラミー賞前のパーティーでデヴィッド・ボウイへの追悼の意を表明している。この日限りのバンドは “The Man Who Sold The World”のカヴァーを披露している。
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