アディダスはカニエ・ウェストとのパートナーシップに関する数年の法廷闘争を経て、カニエ・ウェストと和解したことで1億ユーロの営業利益の引き上げに繋がることになると報じられている。
アディダスとカニエ・ウェストはカニエ・ウェストが反ユダヤ主義的な発言をしたことで、「イージー」とのコラボレーションによるパートナーシップが解消され、訴訟に発展する事態となっていた。
カニエ・ウェストは「反ユダヤ主義」という言葉は存在せず「事実ではない」と主張していたが、自身の発言で傷つけてしまった人々への「謝罪」を行っていた。先日、カニエ・ウェストはアディダスとのパートナーシップがなくなったことで「破産まであと2ヶ月」の状況にあるとも語っている。
アディダスのCEOであるビョルン・ガルデンは現地時間10月29日に行われた記者会見で「両陣営がこれ以上争う必要はなく、主張を取り下げることになりました」と明かして、次のように続けている。「合意には一切の支払いは含まれていません。もう誰に対しても何に対しても負っているものはありません。なので、すべては過去のことです」
『ファイナンシャル・タイムズ』紙によれば、アディダスは和解の余波で未解決の法的問題に関して過去の引当金を取り崩したため、約1億ユーロの営業利益の引き上げに繋がることになるという。ビョルン・ガルデンは記者会見で1億ユーロの引当金と同額を慈善団体に寄付すると述べている。
昨年、ビョルン・ガルデンはカニエ・ウェストとの提携を打ち切ったことで業績に「打撃」があったことを認めており、特に北米での売り上げが20%の落ち込みを見せていることを明らかにしている。イージーを失ったことで、2023年第1四半期の売り上げは4億ユーロ(約580億円)減少したという。
昨年10月27日に『ニューヨーク・タイムズ』紙の調査報道が発表されており、アディダスやカニエ・ウェストの下で働いていた元従業員や現従業員によると、カニエ・ウェストは2013年という早い段階から反ユダヤ主義的な振る舞いがあったという。一例として、アディダス側がカニエ・ウェストに次期ラインのデザインをプレゼンテーションしたところ、カニエ・ウェストは気に入らず、「靴のスケッチ画をつかんで」「鉤十字を描いた」という証言が浮上している。
その後、カニエ・ウェストはセクシャル・ハラスメントに関する訴訟も起こされている。
従業員だったローレン・ピシオッタはカニエ・ウェストに対して訴訟を申し立てており、カニエ・ウェストが在職中に彼女に送った複数の不適切なメールにより不利な職場環境を作り出されたと主張している。彼女はカニエ・ウェストと共に部屋に閉じ込められて、自分の隣でマスターベーションをされたとしてセクシャル・ハラスメントを申し立てている。
カニエ・ウェストは弁護士を通して米『ローリング・ストーン』誌に声明を発表しており、ローレン・ピシオッタの申し立てについて「根拠がない」ものだとして、反訴するのではないかと報じられている。
「彼女は資格がないにもかかわらず、年収400万ドルという非合理な給与を要求し、淫らで錯乱した行動が何度も報告されたため解雇されました」と声明には記されており、ローレン・ピシオッタがカニエ・ウェストの誕生日にセックスを持ちかけ、「一方的にヌード写真」を送ってきたとも述べている。
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