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ニルヴァーナのソーシャル・メディア・アカウントは『イン・ユーテロ』のプロデュースを提案するためにスティーヴ・アルビニから送られてきた4ページに及ぶ手紙をすべて公開している。

スティーヴ・アルビニは心臓発作のために享年61歳で亡くなっており、訃報を受けてニルヴァーナのツイッター・アカウントは手紙の写真を公開している。訃報はシカゴにある彼のレコーディング・スタジオ、エレクトリック・オーディオのスタッフによって発表されている。

スティーヴ・アルビニは手紙の中でよく知られているように「レコードの制作に1週間以上かかるようなら、誰かが失敗しているのです」と述べている。

「現時点であなたにできる最善のことはまさにあなたが話していたことです。ハイ・クオリティでありながら、最低限の“プロダクション”で、首脳陣の石頭の干渉を受けることなく、数日でアルバムを作り上げることです。もし、それがあなたのやりたいことなのであれば、ぜひ関わりたいと思います」

「そうではなく、気づいたらレコード会社に一時的に厚遇されたものの、どこかで邪魔をされていて(曲やシーケンスやプロダクションの手直しを迫ってきて、アルバムをスウィートにするためお抱えのミュージシャンを呼ばれ、リミックス・ジョッキーにすべてが委ねられる)、残念ながらそうするということであれば、私は参加したくありません」

「私は音楽と存在に対するバンド自身の認識をちゃんとした形で反映したレコードにしか興味がありません。レコーディング手段の信条として、そうすることを約束してくれるのであれば、私はあなたのために全力を尽くします。あなたの役に立てるはずです」

スティーヴ・アルビニはレコーディングの方法について次のように述べている。「バンドの個性とスタイルを生み出すことになったクリエイティヴ面でも、日々24時間つきまとう社会的な面でもバンドを最も重要な存在だと思っています。私の立ち位置は、何をすべきか、どう演奏するかを指示することだとは思っていません。喜んで私の意見はお聞かせしたいですが(素晴らしい進歩を成し遂げたり、大きな間違いを犯したと思った時にそれを伝えるのも自分の仕事だと考えています)、バンド側が何かを追求すると決めた時はそれが成し遂げられるのを見守ります」

スティーヴ・アルビニは「アクシデントやカオスの余地を残す」のが好きだとも述べている。「バンドの音楽やダイナミクスのすべての要素がクリックのトラックやコンピューター、オートメーションのミックスやゲート、サンプラー、シーケンサーでコントロールされてしまったら、アルバムはひどい作品にはならないかもしれませんが、特別なものにはならないでしょう」

スティーヴ・アルビニはアルバムのプロデュースとミックスを手掛けたことへの印税を辞退している。「私は自分がレコーディングしたアルバムで印税を受け取りたくないですし、受け取るつもりもありません。それだけです。以上。プロデューサーやエンジニアに印税を支払うのは倫理的に擁護できないことだと思います。バンドが曲を書き、バンドが音楽を演奏して、アルバムを買うのはバンドのファンです。印税はバンドに属するものです」

「配管工のように報酬を支払ってもらいたいのです。仕事をして、それに相当する金額を支払ってもらう。レコード会社は1%か1.5%を私が求めてくると考えているでしょう。これは300万枚売れたら、40万ドル近くになります。そんな大金は受け取れません。寝られなくなってしまいます」

スティーヴ・アルビニはシェラック、ビッグ・ブラック、レイプマンといったバンドでフロントマンを務め、ニルヴァーナの『イン・ユーテロ』、ピクシーズの『サーファー・ロザ』、PJハーヴェイの『リッド・オブ・ミー』、マニック・ストリート・プリーチャーズの『ジャーナル・フォー・プレイグ・ラヴァーズ』などをプロデュースしたことで最もよく知られている。

シェラックは5月17日に10年ぶりとなるニュー・アルバム『トゥ・オール・トレインズ』をリリースして、ツアーに出ることを発表していた。

昨年、スティーヴ・アルビニは『NME』に対してニルヴァーナの『イン・ユーテロ』とずっと関連付けられることは烙印だとは思っていないと語っている。「普通のことだと思うし、完全に理にかなっていると思うよ」とスティーヴ・アルビニは『NME』に語っている。「僕について知らない人に僕を紹介するとしたら、僕が手掛けた最も有名な作品を挙げるだろ。『イン・ユーテロ』は最も有名な作品だからね」

昨年、クリス・ノヴォゼリックはスティーヴ・アルビニと仕事をしたことについて次のように語っている。「カートはスティーヴ・アルビニのファンだった。1989年にツアーのヴァンに乗っている時にカートはピクシーズを聴いていて、親指を上げて、『俺たちのスネアもこういうサウンドにしたいな』と言っていたのを覚えている。ずっとスティーヴ・アルビニとやりたかったんだよ」

カート・コバーンはニルヴァーナと仕事をする以前からスティーヴ・アルビニの音楽を崇拝しており、ビッグ・ブラックが1987年に最後のライヴを行った際にも足を運んでいた。カート・コバーンはスティーヴ・アルビニがライヴで壊したギターの破片を持ち帰ったことでも知られている。

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