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新たに発表された統計によれば、2023年は最も売れたシングルと最も売れたアルバムを女性アーティストが制した記録的な年となっている。

しかし、一方で新しいアーティストはなかなかチャートに居場所を見つけられないでいる懸念も持ち上がっている。

英国レコード産業協会によって発表されたイギリスの年間チャートによれば、2023年は女性アーティストが席巻したことが明らかになっている。

統計によれば、全英シングル・チャートは31週で女性アーティストが1位を獲得しており、女性アーティストによる7曲が年間チャートのトップ10にランクインしている。

昨年1月にリリースされたマイリー・サイラスの“Flowers”は全英シングル・チャートで10週にわたって1位を獲得しており、他にはデュア・リパ、ケニヤ・グレース、エリー・ゴールディング、ビリー・アイリッシュテイラー・スウィフト、オリヴィア・ロドリゴ、レイらが全英シングル・チャートの1位を獲得している。

さらに印象的なのは全英シングル・チャートでトップ10入りを果たした楽曲のうち48.5%が女性アーティストによるもので、これは今世紀最高のシェアとなっている。

全英シングル・チャートの2023年の年間チャートは以下の通り。

1. Miley Cyrus – ‘Flowers’
2. Dave & Central Cee – ‘Sprinter’
3. RAYE ft 070 Shake – ‘Escapism’
4. Taylor Swift – ‘Anti-Hero’
5. Calvin Harris & Ellie Goulding – ‘Miracle’
6. Rema ft Selena Gomez – ‘Calm Down’
7. SZA – ‘Kill Bill’
8. PinkPantheress ft Ice Spice – ‘Boy’s A Liar Pt. 2’
9. Harry Styles – ‘As It Was’
10. Libianca – ‘People’

アルバムに関しては『ガーディアン』紙によれば、この12ヶ月でイギリスの音楽業界は9番目となる成長率を達成しており、合算セールスは1億8280万枚分となり、ストリーミングは史上最高の1796億回を記録している。これは2022年と較べて12.8%の上昇率で、2018年の2倍近くとなっている。

アナログ盤の売り上げも16年連続で成長を続けており、12%近くの増加で、610万枚の売り上げとなり、これは1990年以来最多の数字となっている。

とはいえ、過去のLPに簡単にアクセスできるストリーミング優勢の状況を受けて、2023年発売の新譜で年間アルバム・チャートのトップ10にランクインしたのはテイラー・スウィフトの『1989』の再録盤のみとなっている。

トップ10には昨年リリースされたアルバムが3枚ランクインしており、それ以外は過去の名作やベスト盤がトップ10を占めている。

全英シングル・チャートの2023年の年間チャートは以下の通り。

1. The Weeknd – ‘The Highlights’ (2021)
2. Taylor Swift – ‘Midnights’ (2022)
3. Taylor Swift – ‘1989’ (Taylor’s Version) (2023)
4. Elton John – ‘Diamonds’ (2017)
5. Harry Styles – ‘Harry’s House’ (2022)
6. Fleetwood Mac – ’50 Years: Don’t Stop’ (2018)
7. Eminem – ‘Curtain Call: The Hits’ (2005)
8. SZA – ‘SOS’ (2022)
9. Arctic Monkeys – ‘AM’ (2013)
10. Abba – ‘Gold: Greatest Hits’ (1992)

ストリーミングによってタップひとつで数十年分の音源に簡単にアクセスできるようになったことで、新しい音楽、特にあまり知られていないアーティストによる新しい音楽がインパクトを与えることが難しくなっているという懸念も提起されている。

英国レコード産業協会によれば、2023年にリリースされて、ダブル・プラチナを獲得したのはマイリー・サイラスの“Flowers”のみとなっていて、2023年のアルバムではプラチナ・ディスクを獲得した作品は生まれていない。

BBCによれば、10年前の2013年は14枚が、20年前の2003年は51枚がプラチナ・ディスクを獲得していた。

「新しい世代のアーティストは、2年後、5年後、10年後にライヴやフェスティバルのチケットを買ってくれるようなファン層を築けていないし、現世代の音楽ファンが歳を重ねた後、私たちの文化に遍在するような人気曲を作れていない」と音楽ライターのパトリック・クリフトンは述べており、これは英国レコード産業協会にとって「危機だ」と評している。

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