Photo: Kelsey Bennett

レディー・ガガは亡くなったトニー・ベネットに追悼の意を表するメッセージを投稿している。

トニー・ベネットはアルツハイマー病との闘病の末に現地時間7月21日にニューヨークの自宅で亡くなっている。享年96歳だった。

1952年発表のデビュー・アルバム『ビコーズ・オブ・ユー』以降、トニー・ベネットはキャリアを通して70枚以上のアルバムをリリースして、20個のグラミー賞を受賞しており、ポール・マッカートニーやアレサ・フランクリンなど、音楽業界最大のアーティストたちともコラボレーションを行ってきた。

最後にリリースされたのはレディー・ガガとのコラボレーションとなる2021年発表の『ラヴ・フォー・セール』となっている。レディー・ガガとトニー・ベネットは2014年にデュエット・アルバム『チーク・トゥ・チーク』もリリースしている。

今回、レディー・ガガは訃報から初めて公の場でメッセージを発表しており、トニー・ベネットのことを「真の友人」と評している。

2人が抱擁する写真を投稿して、レディー・ガガはインスタグラムで次のように述べている。「友人のことをずっと惜しむことになるでしょう。彼と歌ったこと、レコーディングをしたこと、話をしたこと、一緒にステージに立ったことを思い出すことになるはずです」

「トニーとはタイムワープしたような人生を送ることになりました。トニーと私にはマジカルな力があったのです。私たちは別の時代に移行して、一緒に音楽を刷新して、デュオとして歌うことで音楽に新たな命を吹き込みました。でも、それは演技ではありません。私たちの関係は非常にリアルなものでした」

「もちろん、彼は音楽について、ショウビズでの生き方について教えてくれました。しかし、彼は気持ちを高く保ち、正気を保つ方法を見せてくれました。『そのまま進めばいい』と彼はよく言っていました。彼は楽観主義者で、質の高い仕事が質の高い人生に結びつくと信じていました。そして、感謝の気持ちです。トニーは常に感謝していました」

レディー・ガガは次のように続けている。「私たちには50歳の歳の差がありましたが、彼は友人でした。本物の真の友人でした。歳の差なんて関係ありません。実のところ、その歳の差こそが多くの人とは持てないものを私たちに与えてくれることになったのです」

「アルツハイマー病でトニーが失われていくことはつらいものでしたが、それは美しいことでもありました。記憶が失われていく時期というのは人の人生において神聖な時間だったりもします。傷つきやすさと尊厳を保ちたいという気持ちがあるのです。私が求めていたのはどれだけ彼のことが好きだったか、どれだけ人生で彼に会えて感謝しているかということを思い出してもらいたいだけでした。この経験を忘れることはないでしょう。トニー・ベネットのことを忘れることはありません」

トニー・ベネットは2016年にアルツハイマー病と診断されており、その5年後に家族によって公表されたが、2021年にレディー・ガガは『インディペンデント』紙のインタヴューでステージで「久しぶりに」レディー・ガガという名前を呼ばれて、感情的になってしまったと語っている。

これはトニー・ベネットの95歳の誕生日を記念して、ニューヨークのレディオ・シティ・ミュージック・ホールで行われたコンサートの場だったという。「トニーが私の名前を呼んだのは久しぶりだった。私は冷静さを保たねばならなかった。ソールド・アウトの公演だったし、仕事があったから。でも、ステージに出ていく時に、彼が『レディー・ガガだ』と言って、私のことを見てきたの。あれは特別なものだった」

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