ロジャー・ウォーターズはピンク・フロイドの『狂気』を再レコーディングした音源をライヴで初披露する公演を10月8日にロンドンのパラディアムで行うことを発表している。
ロジャー・ウォーターズは『狂気』を再解釈・再レコーディングした作品『ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン・リダックス』を10月6日にリリースすることを先日発表していた。本作は『狂気』のリリースから50周年を記念したものだが、ピンク・フロイドの他のメンバーは一切参加していない。
ロンドンのパラディアムで行われる公演にもピンク・フロイドのメンバーは参加せず、アルバムに参加したベーシストのガス・セイファート、ドラマーのジョーイ・ワロンカー、ギタリストのジョナサン・ウィルソンが出演する。
他にライヴに参加するメンバーはオルガンのジョニー・シェパード、テルミンのヴィア・マードット、ストリングスのゲイブ・ノエル、キーボードのジョン・カリン、ピアノのロバート・ウォルター、バッキング・ヴォーカルのアズニフ・コケイジャンとなっている。
ロジャー・ウォーターズはロンドンのパラディアム公演の発表に際して次のように述べている。「10月にロンドンのパラディアムでライヴをやるよ。楽しみにしているんだ。願わくば、今後、他の機会でもライヴができればと思う」
ロジャー・ウォーターズは50年前の作品を再レコーディングした理由について次のように述べている。「オリジナルの『狂気』は、ある意味、人間の現状に対する年長者の嘆きのように感じられる」
「しかし、曲を作ったとき、デヴィッド・ギルモア、リチャード・ライト、ニック・メイスン、そして私はとても若かった。だから、80歳の知恵が再解釈に何をもたらすかを考え始めたんだ」
「最初にガス・セイファートとショーン・エヴァンスに『狂気』の再レコーディングの話をしたとき、みんな私が狂っていると思った。でも、考えれば考えるほど、『肝心なのはそこじゃないよね』と思ったんだ。半世紀の時を超えて手を取り合い、堂々とオリジナルと並べることが出来る作品に仕上がったことを、私は非常に誇りに思っている」
今年3月、ニック・メイスンはロジャー・ウォーターズが再レコーディングした『狂気』についての見解を述べて、「間違いなく素晴らしい」と語っていた。
「ロジャー・ウォーターズが自身のバージョンに取り組んでいるという噂は聞いていたよ」とニック・メイスンはロンドンのドルビーアトモス没入型スタジオで開催された『狂気』の試聴会で語っている。「ロジャー・ウォーターズが真っ向からオリジナル・バージョンと対決して、妨害になるんじゃないかという見立てもあったんだ」
「彼が取り組んでいる音源を送ってくれたから、手紙を書いて、『腹立たしいけど、間違いなく素晴らしいよ』と伝えたんだ。実際、そうだった。オリジナルを台無しにするようなものではなかった。興味深い番外編になっているんだよ」
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