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テイラー・スウィフトはバハマに本拠地を置く暗号資産取引所のFTXと経営破綻する数ヶ月前にパートナーシップの交渉があったと報じられている。

『ファイナンシャル・タイムズ』紙によれば、FTXの創業者であるサム・バンクマン=フリードはテイラー・スウィフトとの「交渉の最終段階」にあったとのことで、「ジ・エラズ・ツアー」として発表された次のツアーのスポンサーとして参加しようとしていたという。

1億ドル以上とも言われるこの契約は、FTXと提携して、生涯パスポートをNFTで出品しようとしたコーチェラ・フェスティバルと同様、チケットをNFTで販売する施策も含まれていたという。FTXは有名人とのスポンサーを結んでおり、その中にはトム・ブレイディ、シャキール・オニール、ステファン・カリーといったスポーツ選手も含まれていた。

『ファイナンシャル・タイムズ』紙に語った情報筋によれば、テイラー・スウィフトのファンだったというサム・バンクマン=フリードはこの契約に積極的で、取締役のクレア・ワタナベが「テイラー・スウィフトとの契約の原動力」だったという。

しかし、FTXアメリカ支社の社長であるブレット・ハリスンは消極的だったようで、匿名の情報筋は次のように語っている。「誰もこの契約を気に入っていませんでした。最初から高すぎたのです。あまりに高額でした。サッカーのユニフォームの胸ロゴくらいの価格でした」

FTXの従業員だった匿名の人物はテイラー・スウィフトが「同社のユーザー・ベースに価値を加えないんじゃないか」という懸念があったと語っている。3番目の関係者は「エンドースメント契約に同意しなかったでしょうし、実際にしませんでした」とも語っている。

FTXはサム・バンクマン=フリードとゲイリー・ワンによって創業され、2021年7月には100万人以上のユーザーが世界3位の暗号資産取引所になっていた。今年の11月初旬、サム・バンクマン=フリードのトレーディング企業「アラメダ・リサーチ」が資産の大半を独自の仮想通貨トークンFTTで保有していることを『コインデスク』が報じたことでFTXは暴落が始まっている。

その報道後、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙はFTXのユーザーの口座から100億ドルが「アラメダ・リサーチ」の取引資金として流出したと報じており、これはFTXの利用規約で禁止されている行為となっていた。11月11日にFTXは「深刻な流動性の危機」を理由に破産している。

テイラー・スウィフトのツアーのチケットはFTXの関与がなくても波乱含みで、チケットマスターは現地時間11月17日に「尋常じゃなく高い需要」があり、「需要に応えるためのチケット在庫が不十分なため」テイラー・スウィフトのチケット一般発売を中止している。11月15日に行われた「ジ・エラズ・ツアー」の先行販売でも技術的不備が指摘されており、ウェブサイトの停止と長い待ち時間についてファンからは不満の声が上がっていた。

これを受けてチケットマスターについては米上院反トラスト委員会が競争の欠如について公聴会を開くことが明らかになっている。また、テイラー・スウィフトのチケットを巡る騒動を受けて、2人の上院議員がボット対策法案について連邦取引委員会に回答を求めている。

ファンは「ジ・エラズ・ツアー」のチケット販売を巡ってチケットマスターに対して訴訟を起こしている。訴訟は13州のファンがロサンゼルス郡地方裁判所で12月2日に起こしたものとなっており、先行販売がカリフォルニア州カートライト法とカリフォルニア州不公正競争法に違反していると主張している。

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