テイラー・スウィフトのチケットを巡る騒動を受けて、2人の上院議員がボット対策法案について連邦取引委員会に回答を求めている。
チケットマスターは現地時間11月17日に「尋常じゃなく高い需要」があり、「需要に応えるためのチケット在庫が不十分なため」テイラー・スウィフトのチケット一般発売を中止している。11月15日に行われた「ジ・エラズ・ツアー」の先行販売でも技術的不備が指摘されており、ウェブサイトの停止と長い待ち時間についてファンからは不満の声が上がっていた。
後に多くのファンがウェブサイトにアクセスできなかったのはオンラインのボットが原因だったことが明らかになっている。
チケットマスターはウェブサイトの運営で「ひどい体験」をした人々に謝罪しており、次のように述べている。「できるだけ簡単にチケットを購入できるように努力しています」
コネチカット州の民主党議員のリチャード・ブルメンタールとテネシー州の共和党議員のマーシャ・ブラックバーンは今回、連邦取引委員会のトップであるリナ・カーンに手紙を送っており、「オンラインのチケット市場におけるボットの使用に対抗する」ための「ステップに関する情報」を提供するよう求めている。
手紙には次のように記されている。「最近、チケットマスターやAXSといったオンラインのチケット販売業者で消費者がチケットを購入するのに深刻な困難に直面する事態が注目を集めています。ボットはこうした問題の唯一の理由ではないものの、オンライン・チケット業界にとってボット対策は消費者のコストを減らす重要な手段となっています」
「オンライン・チケット市場における数々の有名な事例を考えると、連邦取引委員会がそのような行為にどう対処していこうとしているのかを理解することは助けになります」
手紙の中でリチャード・ブルメンタールとマーシャ・ブラックバーンはファンがチケットを購入する前に何十万枚も獲得できる違法ボットの使用を取り締まるために制定された2016年の「ベター・オンライン・チケット・セールス法」にも言及している。
この法律はオンライン・チケット販売業者が使用するセキュリティやアクセス手段の「回避」を禁止し、「回避違反によって入手した」チケットの販売を禁止するものとなっている。
この法律により連邦取引委員会と各州の検事総長は「違反を不公正かつ欺瞞的行為として取り締まる」ことが可能となっている。
両議員は「ベター・オンライン・チケット・セールス法」の権限行使を妨げる障害がないか、また、同法と合わせて議会が検討すべき解決策があるかどうかも連邦取引委員会に質問している。
ボット関連のチケット販売の事例としてはアデル、ブルース・スプリングスティーン、ボブ・ディラン、ブレイク・シェルトンの名前も挙げられている。
テイラー・スウィフトの「ジ・エラズ・ツアー」のチケット販売を扱ったチケットマスターについては米上院反トラスト委員会が競争の欠如について公聴会を開くことも明らかになっている。
「購入者が経験した高額な代金、サイトの混乱、チケット販売中止はチケットマスターの市場を独占したポジションゆえに同社が革新や改善のプレッシャーにさらされていないことを示しています」とエイミー・クロブシャーは述べている。
「ライヴ・エンタテインメント業界とチケット業界の統合が消費者やアーティストに損害を与えていることについて公聴会を開く予定です」
テイラー・スウィフトはチケットの一般発売中止を受けて次のように述べている。「私がファンを非常に大切にしていることは言うまでもありません」
「私たちはこれを何十年にもわたって、長年やってきました。キャリアにおいて様々な要素を取り入れてきました。私と同じくらいファンのことを大切にしている私のチームと共にファンの体験の品質を改善するためにそうしたことをしてきたのです。こうした関係性や忠誠心を併せ持つ外部の団体を信じることは難しいことです。何の手立てもなくミスが起こるのを見ているのは耐え難いことでした」
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