Mark Allan

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ポール・マッカートニーはイギリスの財務大臣であるリシ・スナックが200万ポンドでリヴァプールにザ・ビートルズの新たなアトラクションを展開すると発表したことについて「観光用のアトラクションとして認識してくれていることは嬉しい」としながらも「別のことにお金を使うこともあり得るのではと思っている」と語っている。

先日、リシ・スナックはミュージアムやギャラリー、図書館、各地のカルチャーを守る8億5000万ポンドの予算の中で「リヴァプールの沿岸部に新たなザ・ビートルズのアトラクションを立ち上げるために200万ポンドを確保して」いることを発表している。

この計画には「無意味で馬鹿げている」という批判も寄せられており、200万ポンドではミュージアムを建設できないどころか、リヴァプール市はミュージアムの「投資対効果検討書を作る」ことしかできないとも言われている。また、リヴァプールにはザ・ビートルズのミュージアムが既に2つあるほか、伝説的なライヴハウスのザ・キャヴァーン、メンバーの昔の住居もあり、ザ・ビートルズ・ウィーク・フェスティバルも開催されているほか、複数のザ・ビートルズのツアーが存在する。

なので、資金は地元のライヴハウスの支援やユース・センターの再開、アート教育への投資、EU離脱でツアーができない問題への援助に使ったほうが未来のザ・ビートルズが存在しうるのではないかということが提案されている。

ポール・マッカートニーはサウスバンク・センターのロイヤル・フェスティバル・ホールで開催された『ザ・リリックス:1956トゥ・ザ・プレゼント(原題)』の出版イベントでジャーナリストのサミラ・アーメッドからザ・ビートルズの新たなアトラクションについての意見を求められている。サミラ・アーメッドは「ザ・ビートルズをイギリス人とは何かという愛国的な理想のようものに組み込もうとしている人たちがいると言う人もいるかもしれません」と指摘している。

ポール・マッカートニーは次のように応じている。「僕は気にしないね。だって、日本の人でも、アメリカ人でも、南米出身の人でも、みんなザ・ビートルズを知っているからね。リヴァプールに来てもらえたら観てもらえるものがたくさんあるんだ。それはいいことだと思っている。実際、有名になる初期の頃にジョニ・ミッチェルの曲(“Big Yellow Taxi ”)みたいに駐車場を作るためにリヴァプール議会がザ・キャヴァーンを指名したこともあったんだ」

「だから、観光用のアトラクションとして認識してくれていることは嬉しいよ。ただ、別のことにお金を使うこともあり得るのではと思っているんだ」

ザ・ビートルズが登場するのを助けることになった当時の時代状況についても触れており、ポール・マッカートニーは1947年運輸法によって公共交通機関が国有化されたことでメンバーがバスで会うことができたと述べており、1944年教育法によって自分たちの世代以降は公平に学校に通えるようになったと語っている。

ポール・マッカートニーは公共交通機関について次のように語っている。「これは素晴らしいシステムだった。自分たちがその恩恵を受けた最初の世代だとは気づいていなかったんだ」

「そして教育法で、自分のような裕福じゃない家の子どもも上流階級の学校に行くことができたんだ。これによってイギリスの誰もが通いやすくて、よりよい教育の機会を受けられるようになった。それがカルチャー面での革命の大きな要因になったんだ」

人種差別に対するザ・ビートルズの社会的アティテュードの起源についてもポール・マッカートニーは語っている。

「それはリヴァプールだったからだと思う」と彼は答えている。「リヴァプールはイギリスでも最初にカリブ海のコミュニティがあったからね。当然のことだったんだよ。誰も何も思わなかった。グループでも多くの連中が黒人で、そこに思うことはなかったからね。単に友達で、単に平等だと思っていた。実際そうだからね」

「アメリカに行った時、ジャクソンヴィルかどこかでライヴをやることになったんだけど、プロモーターが言ってきたんだ。『みなさんが演奏する晩は黒人がこちらに座って、白人があちらに座ります』ってね。それで僕らが『どういうことですか?』と言ったら『それがここでのやり方です』と言ってきたから『いやいやいや、それはダメだ』と言ったんだ」

11月2日に刊行された『ザ・リリックス:1956トゥ・ザ・プレゼント』は、子どもの頃の曲やザ・ビートルズやウイングスの曲、長きにわたるソロ・キャリアの曲といった154曲を通してポール・マッカートニーの人生を振り返るものとなっている。

先日、ポール・マッカートニーはロックの殿堂の授賞式でフー・ファイターズと共演してザ・ビートルズの“Get Back”を演奏している。

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