ポール・マッカートニーは『ザ・リリックス:1956トゥ・ザ・プレゼント(原題)』からの抜粋が公開されており、“Eleanor Rigby”のインスピレーションについて振り返っている。
ポール・マッカートニーはリヴァプールの少年時代にボーイ・スカウトで「お手伝い週間」で雑用をやっている時に会った老女が曲のインスピレーションになったと振り返っている。
「“Eleanor Rigby”は非常に仲良くなった老女が基となっています」と『ニューヨーカー』誌に掲載された抜粋には記されている。「彼女は1人で暮らしていることを知ったから、よくそこへ行っては話をしていました。自分が小さなリヴァプールの少年だったことを考えれば、不思議とも言えるかもしれません」
「後に彼女の代わりに買い物に行くことを申し出ました。彼女はリストをくれて、買って帰ってくるとキッチンに一緒に座りました。そのキッチンのことは今でも鮮明に覚えています。彼女はちょっとした鉱石ラジオを持っていました……なので、よく彼女のところを訪れて、自分の心を豊かにしてくれた彼女の話を聞いて、それが後に書いた曲に影響を与えることになったのです」
ポール・マッカートニーはエリナー・リグビーの元々の名前がデイジー・ホーキンスだったことを振り返っている。「『ホーキンス』という名前は実にいいとも思いましたが、ふさわしくはありませんでした。ジャック・ホーキンスが映画『ベン・ハー』ではクイントゥス・アリウスを演じていたからです。それから私の好きな本の1冊である『宝島』の登場人物であるジム・ホーキンスもいます。でも、ふさわしくなかったのです」
ジョン・レノンとポール・マッカートニーがティーンエイジャーの時に日光浴をしていたリヴァプールのウールトンにあるセント・ピーターズ・パリッシュ教会にはエリナー・リグビーの墓があるが、これは偶然だとしている。
「墓を見たのかは覚えていません。ただ、潜在的に認知してしまっていたのかもしれないと思っています」
ポール・マッカートニーは以前エリナーについては映画『ヘルプ!』に出演していた女優のエリナー・ブロンから取ったと述べており、リグビーについてはブリストルで見たリグビー&イーヴンス・リミテッドが基になっていると語っている。
11月2日に刊行される本書は子どもの頃の曲やザ・ビートルズやウイングスの曲、長きにわたるソロ・キャリアの曲を通してポール・マッカートニーの人生を振り返るものになるという。8月には掲載される154曲が発表されている。
新刊の刊行に合わせて大英図書館では無料の展覧会「ポール・マッカートニー:ザ・リリックス」が11月5日から3月13日まで開催されることが決定している。また、ポール・マッカートニーはロンドンのサウスバンク・センターで新著について語るイベントに出席することが明らかになっている。
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