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今月、通算7作目となるニュー・アルバム『ジョーディ』がリリースされたことを受けて、NME Japanではこれを機に選んだマルーン5の名曲10曲をお送りする。レーベルをドロップアウトした若者だったアダム・レヴィーンが21世紀屈指のヒットメーカーとなる15年以上の足跡をぜひ振り返ってみてください。

“This Love”(2004)


18歳の時にカーラズ・フラワーズとしてデビューしたアダム・レヴィーンは大学生活の中で出会ったブラック・ミュージックの影響でその音楽性を著しく進化させることになった。その真骨頂と言えるのが“This Love”だろう。ロック色の強かった“Harder to Breathe”のスマッシュ・ヒットを経て、デビュー・アルバム『ソングス・アバウト・ジェーン』からのセカンド・シングルとしてリリースされたこの曲は世界各国でトップ10ヒットとなった。多様性をポップネスに昇華させたこの曲はその後のマルーン5のキャリアを予感させる曲となっている。

“She Will Be Loved”(2004)


“This Love”のヒットに続いて、この曲も全米トップ10ヒットになったことで一発屋とは一線を画す存在となり、マルーン5のキャリアにとっては大きな足がかりとなった。日本でも某化粧品メーカーのCMで使われたことで、いわゆるお茶の間的な認知も獲得することになっている。女優のケリー・プレストンが出演したミュージック・ビデオは母と娘、そしてアダム・レヴィーンの三角関係が描かれ、彼を一躍セックス・シンボルへと邁進させることになった。そのスムースなR&Bサウンドは現在も日本の音楽シーンに影響を与えている。

“Makes Me Wonder”(2007)


デビュー・アルバムの世界的成功を経て、所属レーベルごとユニバーサル・ミュージック・グループに買収されるなかで、メディアやシーンの大きな注目の中でセカンド・アルバム『イット・ウォント・ビー・スーン・ビフォー・ロング』からの最初の楽曲としてリリースされたのがこの曲だった。新たな船出を印象づける飛行機のフライトが描かれたミュージック・ビデオと共にこの曲はバンドにとって初となる全米シングル・チャート1位を獲得している。この曲でバンドはグラミー賞の最優秀ポップ・パフォーマンス賞も受賞している。

“Moves Like Jagger”(2011)


サード・アルバム『ハンズ・オール・オーヴァー』からはファースト・シングルである“Misery”もスマッシュ・ヒットになったが、ストリーミング時代の到来を予感させるように、アルバムのリリース後にリリースされたこの曲が世界的大ヒットとなった。オーディション番組『ザ・ヴォイス』の審査員として共演していたクリスティーナ・アギレラをフィーチャリングに迎えたこの曲は、永遠のロック・アイコンであるミック・ジャガーに衒いなく言及し、ミュージック・ビデオでも彼の往年の映像がふんだんに使われている。

“Payphone”(2012)


通算4作目となるアルバム『オーヴァーエクスポーズド』からのリード・シングルとなったこの曲の画期的なポイントは二つある。一つはそのミュージック・ビデオだ。ニルヴァーナの“Smells Like Teen Spirit”やグリーン・デイの『アメリカン・イディオット』期のビデオを手掛けたサミュエル・ベイヤーが監督したビデオは映画的スケールで、この曲の評価を決定づけることとなった。もう一つはウィズ・カリファとのコラボレーションで、これ以降ソフト・バラードでのラッパーとのコラボレーションはグローバル・ヒットの方程式となっている。

“One More Night”(2012)


『オーヴァーエクスポーズド』からの2曲目のシングルとなったこの曲は平成のヒット請負人であるマックス・マーティンとシェルバックがプロデュースを手掛けており、全米シングル・チャートでは9週連続1位を獲得する大ヒット曲となった。アルバムのリリース直前にアダム・レヴィーンはそれまで交際していたアン・ヴィアリツィナと破局し、2児をもうけることになる妻のベハティ・プリンスルーとの交際を開始しているが、ミュージック・ビデオはそんな彼のパーソナルな部分を感じさせる内容となっている。

“Sugar”(2015)


通算5作目のアルバム『V』からは“Maps”や“Animals”もヒットとなったが、突出しているのはこの曲だった。YouTubeでのミュージック・ビデオの再生回数が記事執筆時点で34億回で、これは史上12位の記録となっているが、2015年以降にYouTubeでの音楽再生が本格化していくことを踏まえれば、この曲こそがその端緒となったと言ってもおかしくない。サプライズで結婚式で演奏する有名なミュージック・ビデオはマルーン5が誰しもにとって愛されることになった何よりの証明と言えるだろう。

“Girls Like You”(2018)


通算6作目『レッド・ピル・ブルース』のリード・トラック“Don’t Wanna Know”がリリースされたのは2016年だったが、“Girls Like You”が同作からの最大のヒット曲となったのは2018年のことだった。ラッパーのカーディ・Bを迎えたリミックスはミュージック・ビデオにカミラ・カベロやエレン・デジェネレスなど様々な女性が出演するものとなっていて、一人ひとりが様々なメッセージを象徴するものとなっている。今の時代ならではだが、自らが発信者になるのではなく、自らがプラットフォームになることをマルーン5は選択している。

“Memories”(2019)


プラットフォームにまで普遍化したマルーン5が今月リリースされた最新作『ジョーディ』ではどうしても伝えたいことがあった。それはアルバム・タイトルにもなっているが、子どもの頃からの親友でマネージャーを務めていたジョーダン・フェルドスタインが亡くなったことだった。アダム・レヴィーンは彼について「僕は僕の一部を永遠に失いました。彼の訃報は悲劇的で、僕は未だにそれと向き合っています」と述べている。そんな彼の思いが詰まった“Memories”はストレートなトリビュート・ソングで、全米シングル・チャートで2位を記録している。

“Lost”(2021)


『ジョーディ』のリリース日に発表された“Lost”のミュージック・ビデオはマルーン5ならではの映画的スケールの映像が復活した作品となった。アダム・レヴィーンはこの曲について「これまでやってきた中でも最も気に入っている曲の一つなんだ。このバンドが体現しているものがすべて描かれているんだ」と語っている。「道を見失い途方に暮れていた/君が愛してくれるまで」と歌うこの曲のミュージック・ビデオは海辺で彷徨うアダム・レヴィーンの前に妻のベハティ・プリンスルーが人魚として現れるものとなっている。

リリース詳細

M5 JORDI ジャケ写 (1)
『ジョーディ』デラックス・エディション
2021年7月2日 発売
¥2,750(税込) UICS-1373
1. ビューティフル・ミステイクスfeat. メーガン・ザ・スタリオン
2. ロスト
3. エコー feat. ブラックベアー
4. ラヴシック
5. レメディfeat. スティーヴィー・ニックス
6. シーズンズ
7. ワン・ライト feat. バントゥー
8. コンヴィンス・ミー・アザーワイズ
9. ノーバディーズ・ラヴ
10. キャント・リーヴ・ユー・アローンfeat. ジュース・ワールド
11. メモリーズ
12. メモリーズ(リミックス)feat. ニプシー・ハッスル&YG
13. ボタン feat. アヌエルAA&タイニー*
14. ライフスタイル(ジェイソン・デルーロfeat. アダム・レヴィーン)*
*日本盤&海外デラックス盤ボーナス・トラック

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