GETTY

Photo: GETTY

オーストラリアのライヴ音楽プロモーターが、最近のライヴ音楽シーンの落ち込みについて、出会い系アプリのTinder(ティンダー)が影響を及ぼしている可能性があるとする説を展開している。

最近の報道によれば、過去10年間でUKの約半数のナイトクラブが閉鎖されており、オーストラリアのライヴ施設やクラブもやはり苦境に立たされているという。このほど世界四大会計事務所の一つであるプライス・ウォーターハウス・クーパース・リーガルは、UKにおける今後5年間のライヴ音楽業界の成長率が、インフレ率を下回るであろうと予測している。

一方で、オーストラリアはメルボルンのACDC通りに面したナイト・スポット、チェリー・バーのオーナーが、先日ソーシャル・ネットワーキング・サイトにポストしたコメントが、その日以来広まり続けている。

チェリー・バーの共同オーナーであるジェームズ・ヤングは、同じメルボルンのあるプロモーターと「2015年は厳しい年だと話し合った」内容について、詳細を述べている。

ジェームズ・ヤングは、そのプロモーターが「Tinderがライヴ音楽とパブ・シーンを崩壊させた」という、「自分がかつて聞いたことのない説を打ち立てた」と語っている。

このプロモーターは次のように論じたという。「今どきの若者たちがデートの相手を引っかける(ピックアップする)やり方っていうのはこうだ。今はもうクラブやパブに出かけるんじゃなくて、ただ電話を取り上げる(ピックアップする)だけなのさ。Tinderはメルボルン、いやオーストラリア中のクラブやパブを破滅させてる。そして若者たちが初デートで相手を喜ばせようとエスコートする先は、騒々しいライヴ音楽をやってるクラブなんかじゃなくて、洒落たレストランなんだ」

さらに同プロモーターは次のように続けている。「本当に、Tinderには責任を取ってもらわないと。クラブのオーナーにとっては、お先真っ暗だよ。暗黒の、試練の時だ。若者たちが電話から離れてバーに集まってきてくれないと、こっちは店じまいする羽目になっちまう」

一方、エレクトロニック・デュオの2manydjsは先日、UKでのクラブの衰退について論じ、音量制限と「手抜き」、「崇拝されているDJたち」にそれぞれ責任があると説明している。

2manydjsとソウルワックスのメンバーであるデイヴィッド・ディワーラは、「ひどいクラブがたくさんあるよね」と『NME』にブログを寄せている。

「クラブは世界中で閉店しているわけだけど、その原因の一つが音量制限だよね。スイスなんかクラブでは99デジベルまでという音量制限がかけられていて、音楽を消して人が喋っているだけでも、96とか97デジベルあるわけだからね。考えられない音量制限がヨーロッパでは進行しているんだよね。明らかにこれについてはなんとかしなくちゃいけないんじゃないかな。でも、警察によってだんだんとキッズから楽しみが奪われていってるんだ」

「あと、僕たちがUKに来ているここ15年で一つ言っとくと、最初はさ、サウンドが超重要だったんだよ」と彼は続けている。

「でも、それがUKではだんだんと失われていってるように感じるんだ。たくさんのクラブがオープンするんだけど、僕には音楽を聴くという体験の重みがなくなっているような気がするんだ。手を抜いているように感じるんだよ。多くの小さなクラブは確かにカッコいいんだけどさ、必ずしも音に溺れることができるとは限らないんだ」

「崇拝されているDJっていうのも間違いなく気違いじみたことになってきてるよね。来年かそこらで終わるもんじゃないけどさ、みんな好きだし、より求められているわけだからね。おかしなもんだよね。本当に変だと思うよ」

広告 ザ・ビートルズの新作ドキュメンタリー『ビートルズ ’64』がディズニープラスで11月29日(金)より独占配信!

Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.

関連タグ