スマッシング・パンプキンズのフロントマンであるビリー・コーガンは、ニルヴァーナの成功によって自身の成功が矮小化されたことで、鬱になって自殺を考えていたことについて語っている。
ビリー・コーガンとカート・コバーンのライバル関係についてはこれまで多くが語られてきており、両バンドはグランジの最盛期に共に最前線にいただけでなく、ビリー・コーガンもコートニー・ラヴと交際していた。今回、ビリー・コーガンは、ニルヴァーナの『ネヴァーマインド』とパール・ジャムの『テン』の成功が、いかにスマッシング・パンプキンズのデビュー作『ギッシュ』の成功に影を投げかけ、自身の精神状態に悪影響を与えたかについて語っている。
「スマッシング・パンプキンズは1枚アルバムを出して、大きな成功を収めたんだ。でも、俺たちがアルバムのプロモーションをやってる時にニルヴァーナのアルバムが出て、みんなも知ってる通り、『ネヴァーマインド』は巨大なセールスを記録して、その後、パール・ジャムも出てきて、巨大なバンドになったわけだよね」と彼はエイミー・ジョー・マーティンの「ホワイ・ノット・ナウ」というポッドキャストで語っている。
「短い時期の間に俺は、自分が与えられたフィールドの中で成功していると考えていたところから、与えられたフィールドのルールがすべて変わってしまった状況を迎えたんだ。自分がのし上がるためにやっていたことなんかがすべて、求められているほどの現在性を持たなくなってしまったんだよ。それで非常におかしな鬱に陥ることになった。だって、何かを奪われたというわけでもないのに、その変化に対応できてない点で無力さを感じるようになってしまったんだ」
ポッドキャストの音源はこちらから。
彼は次のように続けている。「すごく長い間、鬱を経験することになって、その時は曲も書けなかったし、ブレイクするために格闘してた。過去に何度か話したことがあるんだけどね。それに続いて自殺性の鬱にもなって、自分の抱く感情と闘わなければならなかった。ある朝には窓から飛び降りるか、人生を変えるかどちらかだって、そんな状況にまでなってたんだ。すごくドラマチックに聞こえるのは分かるよ。でも、本当にそんなことになってたんだよ」
ビリー・コーガンはそうした精神状態がブレイク作となったセカンド・アルバム『サイアミーズ・ドリーム』収録の“Today”を生み出すきっかけとなったことについても語っている。「ある朝起きて、窓の外を眺めていてね。それで思ったんだ。『分かった。窓から飛び降りないんだったら、やらなきゃならないことをやったほうがいい』ってね。その日に書いたんだよ。曲は“Today”だったと思うんだけどさ。みんなもよく知ってる、アイスクリーム・トラックのビデオの曲だよ。自殺に対する皮肉な見解みたいなものだよ。でも、エッセンスとしてあの歌詞には、君さえそう思えば、毎日が最高の日になるっていう考えがあるんだ」
先日、ビリー・コーガンはスマッシング・パンプキンズのクラシック・ラインナップでの再結成についての情報を明かしている。
「(ジェイムス・イハと)そのことについては話してるんだ。様子を見てみるよ」とビリー・コーガンは語っている。
ビリー・コーガンはクラシック・ラインナップの他のメンバーについても可能性がないわけではないとしている。「僕らで一緒に演奏する意欲はあるよ。でも、僕らが一緒にやらなくなってから、世界も大きく変わったからね」と彼は語っている。「だから、再結成っていつだってちょっと妙なものなんだよ。みんな、自分の期待で考えるからね」
広告 ザ・ビートルズの新作ドキュメンタリー『ビートルズ ’64』がディズニープラスで11月29日(金)より独占配信!
Copyright © 2024 NME Networks Media Limited. NME is a registered trademark of NME Networks Media Limited being used under licence.