プリンスが、ジャーナリストとの貴重な取材の機会を設け、音楽業界の動向について語り、レコード契約を「奴隷制」と比較してみせ、若いアーティストに契約しないようアドバイスしている。
秘密主義で知られるプリンスだが、NPRによれば、10人のジャーナリストとの面会の機会をミネアポリスのペイズリー・パーク・スタジオで設け、以前も語っていた著作権に対する考え方についてさらに詳細に語ったという。なお、この取材では、写真や音声を記録する機器を持ち込むことは禁じられた。
「レコード契約っていうのは、こういう言葉を使わせてもらえれば、奴隷制だよ」とプリンスはコメントしたとされている。
なかでも、ストリーミング・サービスについて言及し、アーティストの希望を顧みずにそうしたサービスに音楽を配信しようとするレーベルとの契約について議論している。また、そうしたサービスで支払われるロイヤリティについて繰り返し述べている。
「一度、自分自身の音源を持てば、僕らはそれを僕らにとって求める形で提供することができる」とプリンスは語っている。「ジェイ・Zは自分の金を1億ドルも使って、自身のサービスを始めたんだ。自分たちのために物事をやろうとしているアーティストを僕らは援助していかなかくちゃいけないと思うんだ」
プリンスは続けて、アメリカのラジオ業界で大きな勢力を誇るクリア・チャンネルについても音楽を均質化していると批判しており、収入の面でも、自由の面でもアーティストがコントロールする重要性を強調したという。
プリンスは、ジェイ・Zによるストリーミング・サービス、タイダルを通してリリースする新作『ヒットアンドラン』についても語ったが、今年他のストリーミング・サービスからは自身の音源を引き上げている。ただし、7月下旬にリリースしたシングル曲“Stare”についてはスポティファイ限定で配信しているものの、その他の音源についてはタイダル以外のすべての音楽配信サービスから引き上げている。
プリンスは昨年、22名のオンライン・ユーザーを著作権侵害で訴えており、そのなかにはソーシャル・メディアでプリンスのコンサートのブートレッグへのリンクを共有したファンも含まれていた。
アルバム『ヒットアンドラン』は9月7日にリリースされる。
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